想定しづらいトラブルは他にもある。神奈川県の部品販売会社社員(55)がつぶやく。
「10年前に父が亡くなり68歳の母が残されました。母はしっかりしていたので安心し、子供の受験に専念して丸1年ぶりに帰省したら、実家に見慣れない神棚がありました。父を失った寂しさから入信したようで、私が仕送りした大半がお布施に化けていた。母から目を離した“空白の1年”を心から悔やんでいます」
高室氏は「悪徳商法」にも警鐘を鳴らす。
「何ごとにも慎重だった夫が亡くなった後、残った妻を狙い撃ちするケースがあります。ある日突然、いかにも人の良さそうな営業マンがやって来て『床下を点検させてください』と言葉巧みに家に上がり込み、無駄な工事を売りつけることもあるので注意してほしい」
※週刊ポスト2021年4月16・23日号