中山競馬場

いよいよ牡馬クラシック路線の幕が開く

 過去10年、共同通信杯を使った後も皐月賞を目指した馬のうち22頭がスプリングSを使っているが、勝った馬はゼロだった。2つのレースで連対を果たしたのはダービー馬ディープブリランテとドバイターフ覇者リアルスティールだけ。この時期に東京と中山のこの距離の重賞で結果を出せるのは、それだけの能力の持ち主だ。

 母ヴィルジニアはフランケルなどを輩出した世界的大種牡馬ガリレオの直子で国内最多の3勝。ガリレオは母の父としてローズSなどのカンタービレ、目黒記念のキングオブコージなどがいて、その血脈は日本にも広がりつつある。

 2009年以降の勝ち馬はすべて前走1、2着。3着以下だった馬は過去30年まで遡っても5頭しか勝っていないが、ダノンザキッドのGⅠホープフルS勝ちは無視できない。陣営は理想的な「本番前のひと叩き」だったとインタビューで語っている。

 この2頭で気になるのは皐月賞におけるハーツクライ系の不振。晩成血統といわれるように出走頭数も少なかったが、昨年初めてサリオスが連対。その前年には孫にあたるヴェロックスが2着しており、ようやくクラシック仕様に合ってきたともいえる。

 タイトルホルダーは東スポ杯、ホープフルSとダノンザキッドに屈してきたが、前走は影さえ踏ませずに悠々と逃げ切った。ノーザンファーム生産馬が10頭を占めるなか、社台グループの血を結集した種牡馬で日高の生産馬が勝つというのも痛快だ。

 トライアルを使っていないところでは、いつだって勝負服が気になるホープフルS3着のヨーホーレイク、2000mの重賞で2回の好走歴があるラーゴムを押さえたい。

●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

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