大腸がんや乳がんよりは頻度が低いが、女性が大きなリスクにさらされやすい子宮頸がんも受診が推奨されている。尾崎さんが解説する。
「20才以上の女性、特に子宮頸がんワクチンを受けてない女性においては、必須の検診だと思います。一般に子宮頸がんの検診は、2年に1度の受診が推奨されています。定期的に検診を受ければ見つけられる可能性が高いうえ、早期発見すればするほど体に負担をかけずに根治することができます」
早期発見が明暗を分けるのは胃がんも同様だ。
「胃がんも1年ですぐに大きくなることもあり、毎年欠かさずに検診を受けた方がいい。ピロリ菌の有無がポイントで、菌がいるか調べていない人は、まずは有無を調べるか、内視鏡検査を受けるべき。
ピロリ菌がいない人で、1年以内に内視鏡検査を受けていれば、今年は飛ばしてもいい。ただし、内視鏡検査のように精度の高い検診でも見落としがあるので、ピロリ菌がいなくても、2年に1度は内視鏡検査を受けることを推奨します」(森山さん)
医療ジャーナリストの増田美加さんは、「50代以上の女性は、生活習慣病もチェックした方がいい」と話す。
「閉経を迎えると女性ホルモンの影響でコレステロールや血圧、血糖値などの数値が上がりやすくなります。さらにいまはコロナ禍で生活習慣が変化し、これらの数値が変動したり生活習慣病リスクが上がったりする人も多い。この時期だから、血圧や血液、尿検査などの基本的な健康診断は受けておくべきです」
増田さん自身、運動や食事にも気を配っていたにもかかわらず、健康診断の数値はコロナ前と比べて変動していた。
「運動はしていたし体重も変わっていなかったのですが、2020年末に健康診断を受けたところ、正常範囲内ではありましたが血圧や血糖値が高くなっていました。早期に生活習慣を見直せば病気も予防できるので、生活スタイルが変わったいまこそ受けるべきです」(増田さん)
※女性セブン2021年5月6・13日号