須田開代子(写真/共同通信社)
世間からは“人気の中山、実力の須田”と呼ばれていたが、前出・並木氏は意外な事実を明かす。
「須田さんはいつも森英恵さん(HANAE MORI)のオーダーメイドのユニフォームでしたが、中山さんは服装にそれほどこだわりのない人だった。美形で人気だったのは中山さんでしたが、実は衣装やメイクなど女性的な面に気を配っていたのは須田さんで、対抗意識を持っていたんだと思います。当時は古い時代でしたから、2人の結婚と出産が同時期だったことも偶然ではないような気がします」
須田はのちに女子団体を立ち上げるなど業界全体の発展に尽力したが、がんを患い1995年に57歳の若さで世を去った。
中山はインタビュー(2014年)で、年上の須田は「普段は仲のいいお姉さん的存在だった」と明かしている。ただ、がん闘病中の須田に「お見舞いに行きたい」と伝えたところ、「絶対に来ないでよね」と言われたという。その言葉の真意は当人同士にしか分からないが、最後までライバルには弱味を見せたくなかったのかもしれない。
※週刊ポスト2021年5月21日号