ライフ

市販薬・処方薬とサプリメントの「危険なのみ合わせ」最新リスト

Getty ImagesImages)

クスリとサプリ、危険なのみ合わせなのは?(写真/Getty Images)

【NEWSポストセブンプレミアム記事】

 4億8000万円。これは2020年の「ビタミンD」サプリメント(以下、サプリ)の売上額だ。なんとその数は、前年比の約2倍にもなる。

 そもそも日光を浴びると体内で生成される栄養素であるビタミンDは、体内のカルシウムバランスを整え、骨の健康を保つ働きがあるとされるが、コロナ禍による外出機会の減少のため、サプリで補おうとして購入する人が増えているのだ──。

 ビタミンDに限らずサプリ市場は好調で、大手化粧品メーカーの「ファンケル美健」は、2021年4月に新たにサプリ専用の製造工場を開設した。

 健康への関心が右肩上がりのいま、さらなる「サプリブーム」が予想されるのだが、一方で摂り方を間違えれば、体への悪影響が懸念される。薬剤師の廣瀬安國さんが解説する。

「ドラッグストアはもちろん、通販やネットショッピングでも手軽に購入できるサプリですが、なかには、特定の薬との“のみ合わせ”がよくないものもあります。処方した薬が効かない原因が、サプリの成分にあったという例も少なくありません」

 健康のための成分を毒にしないために、まずは「避けるべき組み合わせ」を知っておきたい。

「血液サラサラ」の“重ねのみ”に注意

 まず注意したいのは、市販薬との組み合わせだ。新型コロナウイルスの感染拡大によって、病院に行かずに手に入る市販薬を常備する人も増えている。頼れる存在である一方、サプリとのみ合わせが悪ければ、思いも寄らぬ副作用に苦しめられる可能性がある。

 廣瀬さんが最初にあげるのは、かぜ薬と相性が悪いサプリだ。

「サプリや漢方として使われる甘草と、かぜ薬に含まれるグリチルリチンは主成分が同じです。これらを一緒に摂ることでグリチルリチンの過剰摂取となり、アルドステロン症を引き起こす可能性があります。具体的な症状としては、体のだるさや手足のしびれ。血中のカリウム値が下がるため、血圧の上昇や顔や手足のむくみが現れることもあります」

 法政大学生命科学部元教授で『病気になるサプリ』の著書がある左巻健男さんは、頭痛や生理痛時に服用される解熱鎮痛剤にも、のみ合わせが悪いサプリがあると話す。

「アスピリンや、ロキソプロフェンに代表される非ステロイド性の解熱鎮痛剤は、鎮痛作用に加えて血液をサラサラにする効能がある。同様の働きをする朝鮮人参と一緒に取り入れてしまうと過剰摂取にあたり、血流がよくなりすぎる可能性があります。出血したときに血が止まらない恐れもあるのです」

 朝鮮人参に加え記憶力の維持にいいといわれるイチョウ葉も同様の理由で注意が必要だ。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン