3連単ボックスに限っての収支はプラス400円。大山鳴動して鼠一匹か。それでも3連単を日に2度的中させたのは初めてである。
払い戻しは時の運。アタマが人気薄だったら。常に「一発」があると思わせるところが3連単ボックスの魔術である。
競馬記者の友人は「次はABC・XYZにチャレンジすれば」と言う。3連単ボックス6頭買い、上位人気3頭、下位人気3頭だ。XYZが1頭でも食いこめば一発。「もし3頭絡んだら、君の好きなシャンパンが毎日飲めるぞ」などと囁く。彼もまた優秀な営業マンなのだった。
エスカレートが怖いのだ。6頭120点の次は7頭210点。「2万1000円以上はつくだろ」と。
5頭にとどまれ。これまでどおり「人気馬から2頭、人気薄から3頭」のフォームで行きます。
【プロフィール】
須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。
※週刊ポスト2021年5 月28日号