「発達障害の専門家でもないし、何か特別な才能がある芸術家でもない私が、自分のADHDを語る意味があるのかな?と思うこともあったんです。でも、10人いれば10通りの困りごとがあると気づいて。他の人の話でピンとこなかった人が、私の話を聞いて共感することがあるかもしれない。だったら、自分の経験を語るのも無駄ではないかもと思いました。
ADHDだと診断された後、『これは障害だから一生変わらない』と希望を失った時期もありましたが、今はその段階を乗り越えて、自分なりに工夫を凝らし、対策を打てるようになった。今も失敗することはあるけれど、うまくいくときだってある。『私もなかなかやるじゃない』と、自分をポジティブに考えられるようになりました」
「発達障害とともに生きる」ことは可能だ。今、生きづらさに悩んでいる人は、一度専門医に相談して、具体的な対処法を探ってみるとよいだろう。