広島・栗林はパ・リーグの強力打線も抑え込めるか(時事)
交流戦初見参となるルーキーの活躍も勝敗を左右しそうだ。阪神の4番に座る佐藤輝明(22)や広島の守護神・栗林ら、すでにチームの主力になっているセの新人が注目されているが、交流戦でブレイクする可能性があるのは「パの投手」だと達川氏は予想する。
「開幕から約2か月後の交流戦の時期は、新人もプロのペースに慣れてくるから、監督やコーチが“そろそろ大事な場面で使ってみようか”と思うようになる。2019年に日本ハムの吉田輝星(20)が広島戦で初登板初勝利を飾ったような起用があるでしょう。打力ではもともとパのほうが上ですし、加えて今季はケガで登録抹消された巨人の坂本勇人(32)や、新型コロナ感染が判明した広島の鈴木誠也(26)、菊池涼介(31)らが不在となる可能性が高い。新人を楽に投げさせられる状況なので、5月16日の西武戦でプロ初登板したロッテの佐々木朗希(19)の起用も十分考えられますね(27日の阪神戦に先発することが24日に内定)」
佐々木とセ・リーグの対決も楽しみだ(時事)
もう一つ達川氏がポイントに挙げたのは「移動スケジュール」だ。
「本拠地が北海道から九州まで散らばるパは、もともと長距離移動が当たり前だけど、車や新幹線での近距離移動が大半のセは長距離の移動に慣れていない。甲子園で6連戦を戦ったあと札幌に移動し、さらに移動日なしで仙台というスケジュールがある阪神は特に大変になりそうだね。梅雨時だけに甲子園で雨天順延なんてことになればさらに厳しくなる。レギュラーシーズンでは首位を独走しているけれど、交流戦でつまずく可能性もある」
新型コロナの流行後、初めてとなる交流戦。前例のない環境の中、調子を上げるチーム、落とすチームはどこになるのだろうか。
●取材・文/鵜飼克郎