ライフ

健康診断ではわからない筋力や運動能力 毎日の生活でチェックする6項目

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 新型コロナウイルスの感染拡大による「おうち生活」を心がけるあまり、運動不足を実感している人も多いのではないだろうか。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、健康診断だけでは分からない筋力や運動能力についてつづる。

 * * *
 スポーツ庁が2020年度の体力・運動能力調査の速報値を発表した。中高生から高齢者まで大半の年齢層で、前年度より体力がわずかに低下していることがわかった。この調査は、1964年の東京オリンピックのときから行なわれている。高齢者では年々体力が向上してきたが、今回は前年度よりも低下。特に女性の低下は大きかった。

 スポーツ庁は、調査ができなかった地域もあり、数が少ないため、単純に比較できないとしている。だが、やはり新型コロナの影響を考えずにはいられない。

コロナにも負けず健闘する佐賀の塾生たち

 4月中旬、佐賀県でさだまさしさんとトーク&コンサートを行なった。1年前に予定していたが、コロナの感染拡大のため延期になり、ようやく実現することがかなった。感染対策のため、観客を半分にして、公演を2回にした。長びく自粛生活で鬱々としている人も多いなか、さださんの歌声に包まれる体験はよいリフレッシュになったと思う。

 その一方で、気がかりなこともあった。佐賀でぼくが指導している「がんばらない健康長寿実践塾」の塾生たちが、コロナの間、元気に健康づくりを続けているといいな、と思った。

 公演の前、塾生たちの体力や認知機能を測定してくれている西九州大学リハビリテーション学科の大田尾浩教授が、これまでの分析結果をもって、楽屋を訪ねてくれた。その結果を見て、ぼくはほっとした。コロナの影響は思っていたより少なかったからだ。

 大田尾教授は半年に一度、塾生約1000人に、下半身の筋力、腹筋、片足立ち、握力、認知機能などを検査している。2年半前の1回目の測定ではフレイル(虚弱)の人が何人かいたが、5回目の検査のときにはまったくいなくなった。5回目は、コロナが始まって半年後。自粛生活の影響が出始めるころであるが、フレイルの前段階である「プレフレイル」という状態の人はむしろ減少していた。

 もともと佐賀の塾生たちは「腹筋」や、バランスをみる「片足立ち」が全国平均より低かった。実践塾で運動を続けることで、どちらもメキメキと向上していた。「片足立ち」は、コロナの影響がなく、改善傾向が続いている。

「TUG」という測定方法がある。椅子に座って、3メートル先まで行って戻ってきて、椅子に座るまでの時間を測る。13秒近くなると介護保険の対象になる確率が高くなり、30秒かかる場合には要介護状態と言われる。塾生はこの「TUG」の点数がよく、5回ともすべて6秒以下で、歩行バランスが向上し、速くなっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
男が立てこもっていたアパート
《船橋立てこもり》「長い髪に無精ヒゲの男が…」事件現場アパートに住む住人が語った“緊迫の瞬間”「すぐ家から出て!」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン