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アウトドアがブーム 愛好家の「押しつけがましさ」に困る人々も増加

あああ

虫や不便さなど、アウトドアの欠点も

 カラオケ、飲み会、ホームパーティーなど、コロナ禍ではできないレジャーが多いなか、需要が伸びている娯楽が「アウトドア」だ。芸人・ヒロシ(49才)のソロキャンプ動画は500万回再生を超え、テレビや雑誌では「アウトドア特集」が大人気。“密になりにくい遊び”として人気が爆発している。

 しかしその一方で、「早くブームが過ぎ去ってほしい」とため息をつく人たちがいる。千葉県在住の会社員・松田真奈美さん(仮名・47才)もその1人だ。

「きっかけは、夫の勤務先で1人目の感染者が出たこと。管理職だった夫は、手探りのまま対応に追われて、ものすごくストレスをためていました。イライラが最高潮に達したときに出合ったのが、ヒロシのソロキャンプ動画だったようです。『すごく癒されるんだ』と目を輝かせる夫に、『たき火やってみれば?』と声をかけたのが運の尽きでした」

 100円ショップでレジャーシートを買って、毎週末公園に出かけるくらいまでは微笑ましく見守っていたが、次第にたき火台など本格的なグッズが自宅に届くようになり、雲行きが怪しくなっていった。

「夫は、息子や義母も連れて河原やキャンプ場に出かけるようになりましたが、もともと虫が苦手でインドア派の私は一度も行きたいと思ったことはありません。誘われないように、キャンプの話になるたびに話題を変えていたのですが、この春ついに“Xデー”が訪れてしまった。その日は私の誕生日で、キャンプ場で祝ってくれると言うんです。いろいろ準備をしてくれたという気持ちはうれしく、断れずに出かけました」(松田さん)

 当日の天気予報は、曇りのち大雨。

「キャンプ場に着いたら本降りで、レインウエアを着ていてもびしょ濡れで体は冷えるし、夫が料理を作ってくれるけれど、どんどん冷めていく。極めつきはバースデーケーキです。ろうそくを立てて火をつけても雨ですぐに消えてしまうから、吹き消す必要もありませんでした(苦笑)。

 やっとの思いでテントに戻ったら、中にはカメムシがたくさん入ってくるし、最悪でした。でも夫は“天気ばかりはしょうがないよね”とケロっとしたモンです」(松田さん)

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