空気の通り道を作ることを意識(イラスト/飛鳥幸子)
調理中は必ず換気扇を回す
まず、24時間換気システムは、その名の通り24時間稼働させることが大前提だ。
「住宅によっては、24時間換気システムのスイッチが複数ついていることがありますが、基本的にすべて、常時オンにしておくのがルールです。
しかし、換気扇と勘違いしてスイッチを切ったり、さらには、給気口や排気口のふたを閉めている家庭がある。これらは、開けっぱなしにしていなければ意味がありません。給気口から熱い外気が入ってきて、エアコンの効きが悪いときには一時的に閉めても構いませんが、室温が整ったら必ずふたを開けてください」
一方、換気扇は「局所換気」と呼ばれ、トイレやお風呂場、台所など、ピンポイントで限られた空間を換気するために設置されている。
「トイレに入ったときや、お風呂から上がった直後など限定的に使うものと思われがちですが、換気扇も常時回しっぱなしの方がいい。切ってしまうと換気扇から逆流した外気が室内に流れ、お風呂場やトイレの湿気、嫌なにおいが広がる原因になります」
キッチンに立つときも、必ず換気扇を回したい。
「煙が出ないから大丈夫だと思っても、調理中は湿度が上がるものです。換気扇を回さなければ、結露の原因になる。調理中のにおいがエアコンのフィルターに移ったり、温度と湿気が高くなったことをエアコンが感知し、必要以上に稼働する原因になります」
2003年7月より前に建てられた家では、24時間換気システムが備わっていないことも多い。その場合は、換気扇の使い方が湿度をコントロールするポイントとなる。
「古い住宅では、台所と風呂、トイレにしか換気扇がないことも多い。その場合は、各部屋のドアは閉めず、換気扇と対角線上になる窓を開け、部屋全体に風が通るよう工夫してください」
24時間換気システムが設置されている家でも、空気中に浮遊するウイルスやカビ菌を短時間で減らすには、同様の方法が最も効率的といえる。
※女性セブン2021年6月24日号