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タワマンの高層階ばかりを移り住む「空中族」 高値売り抜けはそろそろ手仕舞いか

タワマンの売却物件が急に増える理由

 こういった市場価格の高騰を受けて、自宅の購入と売却を繰り返している人々がいる。購入したマンションを売却して得た利益を自己資金として次の物件を購入し、何年か住むとまた売却──というサイクルで住み替えていくのだ。

 これをタワマンで行うと、高層階から高層階へと移住することになるので「空中族」と呼んだりもするそうだ。

 彼らは新しいタワマンが開発されると知ると、そこに住みたくなるらしい。だから、あまり躊躇せずに購入契約する。今住んでいる住戸が「売れれば」有効になる「買い替え特例」を盛り込んでの契約もある。ただ最近多いのは一時的なダブルローンも厭わずに、「買い増し」の形で購入契約を結ぶケースだ。

東京都中央区(晴海、勝ちどき、月島方面)のタワマン群(時事通信フォト)

東京都中央区(晴海、勝ちどき、月島方面)のタワマン群(時事通信フォト)

 例えば湾岸エリアでは新しい物件が竣工すると、その周りのタワマンの売却物件が急に増えたりする。価格も一時的にではあるが下落する。「空中族」が引っ越した後に自宅を売却しているのである。ただ、多少市場価格が下がっても、買い値よりは高く売却ができている場合がほとんどだ。

思惑通りに売れない懸念も

 こういった「空中移動」は、市場が右肩上がりになっている時には何の問題もない。「空中族」たちは数年に一度の引っ越しを重ねながら資産価値を膨らませていく。

 しかし、市場が踵を返して右肩下がりに転じると、目算が大いに狂う。買い値よりも高く売れるはずだった物件が、思惑通りに売れないといつまでもダブルローンを払い続けることになる。

 何億円も手元資金がある富裕層なら、そういった状況でも動じないだろう。しかし「空中族」は、ほとんどがサラリーマンだ。ただちょっとだけ年収が高い。世帯年収で1500万円前後が多いと言われているが、その程度ではダブルローンを払い続けるのは無理だ。数か月後には、たとえ買い値よりも安い価格でしか売れなくても、成約を急ぐほか選択肢がなくなる。

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