タワマンの売却物件が急に増える理由

 こういった市場価格の高騰を受けて、自宅の購入と売却を繰り返している人々がいる。購入したマンションを売却して得た利益を自己資金として次の物件を購入し、何年か住むとまた売却──というサイクルで住み替えていくのだ。

 これをタワマンで行うと、高層階から高層階へと移住することになるので「空中族」と呼んだりもするそうだ。

 彼らは新しいタワマンが開発されると知ると、そこに住みたくなるらしい。だから、あまり躊躇せずに購入契約する。今住んでいる住戸が「売れれば」有効になる「買い替え特例」を盛り込んでの契約もある。ただ最近多いのは一時的なダブルローンも厭わずに、「買い増し」の形で購入契約を結ぶケースだ。

東京都中央区(晴海、勝ちどき、月島方面)のタワマン群(時事通信フォト)

東京都中央区(晴海、勝ちどき、月島方面)のタワマン群(時事通信フォト)

 例えば湾岸エリアでは新しい物件が竣工すると、その周りのタワマンの売却物件が急に増えたりする。価格も一時的にではあるが下落する。「空中族」が引っ越した後に自宅を売却しているのである。ただ、多少市場価格が下がっても、買い値よりは高く売却ができている場合がほとんどだ。

思惑通りに売れない懸念も

 こういった「空中移動」は、市場が右肩上がりになっている時には何の問題もない。「空中族」たちは数年に一度の引っ越しを重ねながら資産価値を膨らませていく。

 しかし、市場が踵を返して右肩下がりに転じると、目算が大いに狂う。買い値よりも高く売れるはずだった物件が、思惑通りに売れないといつまでもダブルローンを払い続けることになる。

 何億円も手元資金がある富裕層なら、そういった状況でも動じないだろう。しかし「空中族」は、ほとんどがサラリーマンだ。ただちょっとだけ年収が高い。世帯年収で1500万円前後が多いと言われているが、その程度ではダブルローンを払い続けるのは無理だ。数か月後には、たとえ買い値よりも安い価格でしか売れなくても、成約を急ぐほか選択肢がなくなる。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン