世帯視聴率重視の姿勢に疑問を呈した松本人志のツイート(Twitterより)
個人視聴率には、チャイルドのC(男女4~12歳)、ティーンのT(男女13~19歳)、M1(男20歳~34歳)、M2(男35歳~49歳)、M3(男50歳以上)、F1(女20歳~34歳)、F2(女35歳~49歳)、F3(女50歳以上)と8つの層がある。これらをまとめると、“個人全体視聴率”となる。
「高齢者に人気の高い『笑点』(日本テレビ系)の2月28日放送分の世帯視聴率は15.1%、個人全体視聴率は8.6%です。どちらも“高視聴率”の部類に入ります。8つに分かれる個人視聴率を見ると、M3は14.1%、F3は13.6%と50歳以上の数字は高い。しかし、49歳以下は低い。たとえば、M1は2.0%、F1は2.6%です。日本テレビの“コアターゲット”を考えると、高いとは言えません。このように世帯や個人全体が高くても、コア視聴率が低い番組はあります。もちろん、逆のケースもあります。アニメなどが該当しますね」
評価指標の変化は、局のイメージにも大きな影響を与える。民放テレビ局の2020年度(2020年3月30日~21年3月28日)の関東地区の“世帯視聴率”はゴールデン帯、全日帯が1位・日本テレビ、2位・テレビ朝日、プライム帯が1位・テレビ朝日、2位・日本テレビ。個人全体視聴率では3部門で日本テレビが1位、テレビ朝日が2位と2局が熾烈な争いを繰り広げた。しかし、“コア視聴率”になると、順位が変動する。
「日本テレビとフジテレビの重視する13歳から49歳までの視聴率で見ると、3部門全てで日本テレビの1位は同じですが、2位はフジテレビなんです(プライム帯はTBSと2位タイ)。世帯では好調のテレビ朝日は“コア視聴率”だとオール4位。たとえば、世帯視聴率の高い『ポツンと一軒家』は高齢者が視聴者の中心で、30代前半以下にはほとんど見られていません。だからなのか、テレビ朝日はあまり“コア視聴率”の話題を出したがらない印象です」
不調のイメージもあるフジテレビだが、“コア視聴率”で見ると、好調に様変わりする。逆に、テレビ朝日は好調から不調になるのだ。