ライフ

ベッドは家庭内で最も不潔? シーツに潜む菌はトイレの便座の9倍も

実はベッドはトイレより汚れている!?

実はベッドはトイレより汚れている!?

 梅雨シーズンに突入した日本列島。湿気によるカビや菌が気になり、除菌グッズを買い揃えている人もいるかもしれない。しかし、家のどこをどのように清潔にすべきか、実は正しく把握している人は少ないという。その盲点に気づかないと大変なことになる。 「家庭内で最も菌が多いものは何か」と聞かれ、すぐに正解を言い当てられる人は少ないだろう。その答えが、「寝具」というあまりに意外なものだからだ。

「寝具は、家庭内で最も汚れがたまりやすい場所だといっても過言ではありません。というのも、1日使ったシーツには、トイレの便座の3倍もの菌が付着しており、1週間後には9倍に増えるというデータがあります。人は一晩寝ている間に、コップ1杯分の汗をかくといわれています。その汗や付着した汚れによって寝具には細菌がどんどん繁殖してしまうのです。当然、パジャマにも汗が染み込んでいるわけですが、下着メーカー・グンゼの調査によれば、毎日パジャマを洗っている人は3割にも満たないそうです。

 つまり、衛生面から見たとき、寝具は汚れやすいのに頻繁に洗わないものなので、“家庭内で最も汚い”場所といわれるのです」(医療・衛生に詳しいジャーナリスト)

 この季節、寝具にとって特に心配なのがダニの存在だ。

 ダニの繁殖のピークは5月から7月にかけて。東京都健康安全研究センターの調査報告(2018年)によれば、都内の住宅10軒について居間、寝室、寝具を対象にダニの繁殖状況を調べたところ、繁殖のピークを過ぎた秋(10~11月に調査)にもかかわらず、生きたダニの他、死骸やフンなどが大量に採取されたという。

「そのダニの量は想像以上で、調査した家庭のうち、約6割で喘息の発作を誘発するレベルのダニが検出されています。中でも最もダニが多かったのが寝具。寝具が家庭内で、いちばんダニの繁殖源になっていることがわかったのです」(前出・ジャーナリスト)

マットレスに潜むカビや大腸菌

 汚れた寝具の影響は喘息だけでなく、くしゃみや鼻水といったアレルギー症状や、アトピー性皮膚炎など身体にさまざまな形で表れる可能性がある。

「家庭の寝具から検出されるアルテルナリアというカビの一種は喘息との関連が報告されています。特に、屋外に浮遊するカビが増える6月から9月にかけては、アルテルナリアによる喘息の発作、喘息による死亡者数が増加すると考えられています」(都内の呼吸器内科医)

 寝具の中でも、汚れが蓄積しやすいのがベッドのマットレスだ。ベッド文化の歴史が長い欧米では、驚くべき研究データがある。

「ダニの研究で世界的に有名なアメリカのオハイオ大学の研究によると、古い角質まみれのマットレスには10万~1000万匹のダニがいる可能性があるそうです。使用期間が長いマットレスほど細菌が多く、7年使ったマットレスからは1平方インチ当たり細菌の集団が1600万個以上検出され、購入後1年のマットレスの約5倍にも及びました。この研究ではダニだけでなく、カビ、大腸菌や黄色ブドウ球菌などのバクテリアが、マットレスの中で眠っている可能性があるという結果も出ています」(前出・ジャーナリスト)

 なぜマットレスは細菌の温床となってしまうのだろうか。感染制御学を専門とする山口東京理科大学の尾家重治教授は、次のように語る。

「一般論ですが、シーツなどと違ってマットレスは構造的に洗いにくく、乾きにくい。人の汗には栄養分が含まれており、それは細菌の栄養源にもなります。湿気がたまりやすいマットレスには、細菌が生きていくために必須の水分もあるため、内部でどんどん繁殖してしまうのです」

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
松田烈被告
「テレビ通話をつなげて…」性的暴行を“実行役”に指示した松田烈被告(27)、元交際相手への卑劣すぎる一連の犯行内容「下水の点検を装って侵入」【初公判】
NEWSポストセブン
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
会談に臨む自民党の高市早苗総裁(時事通信フォト)
《高市早苗総裁と参政党の接近》自民党が重視すべきは本当に「岩盤保守層」か? 亡くなった“神奈川のドン”の憂い
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン