芸能

ちあきなおみ 活動休止してもなお人々を魅了し続ける「劇場型歌手」

(写真/共同通信社)

活動休止から27年を経て発売されたアルバム『微吟』は異例のヒットを記録(写真/共同通信社)

「ちあきなおみは、活動を休止してからベストアルバムが発売され、再び人気が出た稀有な歌手だと思います」と語るのは、ジャーナリストの石田伸也さん。

「彼女は山口百恵のようにコンサートでマイクを置いて引退したわけではありません。国民葬のような形で見送られた美空ひばりとも違います。

 ちあきなおみは、別れも告げずに忽然と芸能界から消えてしまった。これは、日本レコード大賞を受賞し、『NHK紅白歌合戦(以下、紅白)』に出場した歌手としては珍しい。

 でも、そのぶんミステリアスな存在となり、『彼女の歌をもっと聴きたい』と熱望する人が後を絶たないのだと思います」(石田さん・以下同)

 2019年に発売されたコンセプトアルバム『微吟』の売り上げは3万5000枚を超え、CDが売れないといわれて久しい昨今、異例のヒットを記録している。

「彼女の魅力は卓越した歌声と表現力。ひとたび歌い出すと、その歌で描かれる情景が目に浮かび、まるで映画を見ているかのようにその世界にどっぷりと浸れる。唯一無二と言っていいでしょう」

 その表現力はどのようにして磨かれていたのか。

「喝采」歌の世界を演じきる

 ちあきなおみの代表曲といえば、1972年にヒットした『喝采』が思い浮かぶ。吉田旺さん(80才)が作詞し、中村泰士さん(享年81)が作曲を担当したこのドラマチックな曲を、情感たっぷりに歌い上げ、発売わずか3か月でその年の日本レコード大賞を受賞した。受賞後に涙をこらえながら歌う彼女の姿は印象的だった。

 幼少時代にタップダンスを習い、その後、米軍キャンプを回って踊る仕事を始め、13才で歌手活動をスタートさせた彼女の歌は、どれもその人生を彷彿とさせるものだ。

「当時の彼女は、私たちの思惑とは少し違ったこだわりを持っていました」

 そう語るのは、活動休止前の最後のマネジャーを務めた古賀慎一郎さんだ。

関連記事

トピックス

ビアンカ
《カニエ・ウェスト離婚報道》グラミー賞で超過激な“透けドレス”騒動から急展開「17歳年下妻は7億円受け取りに合意」
NEWSポストセブン
2月13日午後11時30分ころ、まだ懸命な消火活動が続いていた
茨城県常総市“枯草火災”の緊迫現場「ビニールハウスから煙がモクモクと」「なにも、わからない、なにかが燃えた」
NEWSポストセブン
二人とも帽子をかぶっていた
《仲良しツーショット撮》小山慶一郎(40)と宇野実彩子(38)が第一子妊娠発表 結婚直後“ハワイ帰りの幸せなやりとり”「いろいろ行ったよね!」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
「婚約指輪が見つからず…」田村瑠奈被告と両親の“乱れた生活” 寝床がない、お湯が出ない、“男性の頭部”があるため風呂に入れない…の実態【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
オンラインカジノに関する摘発が急増している
「24時間プレイする人や、1度に6000万円賭けた人も…」マルタ共和国のオンラインカジノディーラーが明かす“日本人のエグい賭け方”と“ホワイトなディーラー生活”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
《延長リクエストは断った》田村瑠奈被告の“ホテルで夜遊び”を車で待つ父親の心情「周りから奇異な目で見られても…」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
慶應義塾アメフト部(インスタグラムより)
《またも未成年飲酒発覚》慶大アメフト部、声明発表前に行われた“緊急ミーティング”の概要「個人の問題」「発表するつもりはない」方針から一転
NEWSポストセブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《裸でビリヤード台の上に乗せられ、両腕を後ろで縛られ…》“ディディ事件”の被害女性が勇気の告発、おぞましい暴行の一部始終「あまりの激しさにテーブルの上で吐き出して…」
NEWSポストセブン
引退後の生活を語っていた中居正広
【全文公開】中居正広、15年支えた恋人との“引退後の生活” 地元藤沢では「中居が湘南エリアのマンションの一室を購入した」との話も浮上
女性セブン
親方としてのキャリアをスタートさせた照ノ富士(写真・時事通信フォト)
【25億円プロジェクト】照ノ富士親方の伊勢ヶ濱部屋継承 相撲部屋建設予定地の地主が明かした「6階建てお洒落建物」構想
NEWSポストセブン
水原被告がついた「取り返しのつかない嘘」とは
水原一平被告がついた「取り返しのつかない嘘」に検察官が激怒 嘘の影響で“不名誉な大谷翔平コラ画像”が20ドルで販売
NEWSポストセブン
折田氏が捜査に対し十分な対応をしなかったため、県警と神戸地検は”強制捜査”に踏み切った
《「merchu」に強制捜査》注目される斎藤元彦知事との“大きな乖離”と、折田楓社長(33) の“SNS運用プロ” の実績 5年連続コンペ勝ち抜き、約1305万円で単独落札も
NEWSポストセブン