九九年の大河ドラマ『元禄繚乱』では将軍・徳川綱吉の下で権勢を振るう柳沢吉保を演じた。
「柳沢吉保をかなりデフォルメした作品だと思います。吉良役で石坂浩二さんが出ていたのですが、『村上さん、今回の吉保、いい役だね』って言うんです。『石坂さんも「元禄太平記」でやったじゃないですか』と言ったら、『俺の時はこんなに面白い役じゃなかった。今度の吉保は面白い』としみじみ仰っていたのが印象に残っています」
その言葉が役へのモチベーションをさらに上げてくれました。
【プロフィール】
春日太一(かすが・たいち)/1977年、東京都生まれ。主な著書に『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』(ともに文藝春秋)、『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮社)など。本連載をまとめた『すべての道は役者に通ず』(小学館)が発売中。
撮影/藤岡雅樹
※週刊ポスト2021年7月2日号