芸能

美容家・佐伯チズさん 晩年、寝たきりでも保ち続けた美肌家の意地

あsふぁ

2020年1月末、ALSと告知される直前に、遺作となった書籍『夢は薬 諦めは毒 あなたに寄り添う33の言葉』(宝島社)の打合せをするチズさん(写真提供/チズコーポレーション)

「最期を自宅で迎えたい」。多くの高齢者が望む穏やかな時間を私たちは叶えてあげられるだろうか──。2020年6月5日に亡くなった美容家の佐伯チズさん(享年76)。刻々と変わっていく病状のなか、チズさんと自宅で向き合い、寄り添ったチズさんの後継者である息子の佳之さんはどんな思いだったのか。母との思い出とその胸中を聞く。

「チズコーポレーション」代表取締役の佳之さんは、チズさんの実弟の息子に当たる。IT関連企業で役員を務めた後、チズさんより「佐伯を名乗り、会社を継いでほしい」と言われ、2017年に養子縁組をして息子に。7月にはチズさんの夢だったサロンを日本橋・茅場町(東京)にオープンする予定だ。

病床でも続けたローションパック

 チズさんは、2020年3月23日にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたことを公表。「決して諦めない」と、自らの思いを絞り出すように語ってから、わずか2か月半後で旅立った。

 いわゆる寝たきりになってしまっても、チズさんの美に対する意欲は失せなかったという。

 スタッフたちも「先生にはキレイでいてほしい」と、毎日のように佐伯式美容の代名詞であるローションパックを行っていたため、肌は瑞々しく、キレイをキープしていた。

「体の方はやせ細っていきましたが、いわゆる病人の顔色ではありませんでしたね。これぞ美容家、美肌師としての意地なのかな、というように、私は見ていました」(佳之さん・以下同)

 症状が進んであまり話せなくなると、少しだけ聞き取れる言葉から予想をしてこちらから質問をし、首を動かすことでイエスかノーかを引き出していた。

 まったく話せなくなってからは、いつも気にしていた仕事のことなどを伝え、表情から意思を探っていたという。

「こちらの顔が見えるよう傍らに立って話すようにしていましたが、スタッフは足や腕をさすったり、マッサージしながら話してくれていました」

 5月末になると呼吸がしづらくなり、いつ最期となってもおかしくないという状態になっていった。

「起きているときには、息苦しそうにではあるものの、気丈に『亡くなった主人のところにようやく行ける』などと言っていましたが、聞いている者としては、やはりつらかったですね」

関連記事

トピックス

マムカ司令官
【ウクライナの戦場取材でYOASOBI】報道カメラマンがウクライナで戦うジョージア部隊「世界初の最前線取材」の許可を得るまで ドーベルマンとフィアット500に乗り、車内で『夜に駆ける』
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《交通事故で骨折と顔の左側の歯が挫滅》重傷負ったタレントの大東めぐみ「レギュラーやCM失い仕事ほぼゼロに」後遺症で15年間運転できず
NEWSポストセブン
ポータブルトイレの大切さを発信するYoutuber・わさびちゃん
「そもそもトイレの話がタブー過ぎる」Youtuberわさびちゃんが「トイレ動画」を公開しまくるようになったきっかけ「芸人で恥ずかしいこともないし、夫に提案」
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《事務所が猛反対もプロ野球選手と電撃結婚》元バラドルの大東めぐみ、人気絶頂で東京から大阪へ移住した理由「『最近はテレビに出ないね』とよく言われるのですが…全然平気」
NEWSポストセブン
全国で車中泊をしているわさびちゃん夫婦。夫は元お笑い芸人のピーチキス・けん。
YouTuber・わさびちゃんが「トイレ動画」でバズるまでの紆余曲折「芸人時代に“女”を求められたり、男性芸人から嫉妬されたり…」
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《借金で10年間消息不明の息子も》ビッグダディが明かす“4男5女と三つ子”の子供たちの現在「メイドカフェ店員」「コンビニ店長」「3児の母」番組終了から12年
NEWSポストセブン
リシェット
戦場取材に欠かせない「フィクサー」とは? ウクライナ入りした報道カメラマンが紹介された“取材に愛犬を連れて来る男” ギャラは「1日1500ドル」と法外な金額に
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン
ボニー・ブルーとの2ショット(インスタグラムより)
《タダで行為できます》金髪インフルエンサー(26)と関係を持った18歳青年「僕は楽しんだから、被害者になったわけじゃない」 “捕食者”との批判殺到に反論
NEWSポストセブン