9月21日にはついに巨人とゲーム差なしになり、10月8日の巨人との直接対決に敗れると、首位から陥落。その2日後、横浜戦で阪神が敗れ、巨人がヤクルトに勝つと、巨人の優勝が決まった。
「10月8日の巨人戦に負けた時点で覚悟を決めた。翌々日の横浜戦のロッカールームで選手たちに“辞める”と伝えたんや」
早々に辞意を表明した背景には、球団側との対立もあったという。
「10月1日から甲子園の大改修を始めるから、10月の試合では一切使えないと言うんや。ゲーム差なしで戦っていた巨人との9月27日の試合も当初は使えないと言われ、大喧嘩して甲子園開催にしたくらい。フロントはやる気がなくて、横浜遠征にも来なかった。電話がかかってきたから、“選手には辞めると伝えた”と言うてやった」
その後、3位中日とのCSは準フランチャイズの京セラドーム(大阪)で開催され、頼みの藤川が決勝2ランを浴びてシーズンを終えた。
「日本シリーズに進出したとしても、甲子園は使えなかった。阪神ファンの大声援の前で最後まで戦えないというのは、やっぱり結果に影響するよ。今年の阪神には、そういう心配はなさそうやからよかったね」
※週刊ポスト2021年7月9日号