デルタ株が猛威を振るう「イギリス」

 イギリスでは接種率が60%を超え、2回の接種を完了した人の割合も50%に迫っている。にもかかわらず、感染が再拡大している。原因は、やはり“デルタ株”が席巻していることだ。

テニス・ウィンブルドン選手権開催中のイギリスでは感染予防策を徹底(AFP=時事通信フォト)

テニス・ウィンブルドン選手権開催中のイギリスでは感染予防策を徹底(AFP=時事通信フォト)

 イギリスでは、世界最速でデルタ株への置き換わりが進んでいる。これは、同国でウイルスのゲノム解析が頻繁に行われ、デルタ株の検出が進んでいるためといわれており、他の国でも同じことが起きている可能性はある。

 ただ、EU諸国では(ポルトガルの例を除いて)全般的に感染は減少しており、イギリスとEU諸国は変異ウイルスについて対照的な傾向となっている。

 イギリスでのデルタ株蔓延の理由として、海外からの渡航者によって、この株のウイルスが持ち込まれたと多くの専門家が指摘している。現在、イングランドではロックダウン(都市封鎖)の緩和を7月19日まで4週間延期するなど、変異ウイルスの抑止に努めている。

接種が進めば重症化しにくくなる?

 イギリスで見られているもう1つの特徴として、たとえ感染しても重症化はしにくくなっている点が挙げられる。

 現在入院しているのはワクチンをまだ打っていない人がほとんどで、2回の接種が完了した人は、感染したとしても入院したり重症化したりするケースは非常に少数とされる。

 イギリスでは、春に深刻なパンデミック(世界的大流行)が生じたことを受けて、早期にできるだけ多くの人に接種を受けてもらうために、1回目の接種を優先してきた。このため、2回の接種を完了した人の割合は低かった。

 今回、ロックダウンを延長することで、接種を完了する人を増やして重症患者の多発に伴う医療の逼迫を避けようという戦略といえるだろう。

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