ライフ

鎌田實医師「今ここにいる」という感覚が生きる希望につながる

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 生きる希望が見つからないような状況のとき、人はどうすればいいのだろうか──。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、緩和ケアや在宅医療の現場で見聞きしたことから、“生きる希望”につながる“今ここ”という感覚について考える。

 * * *
 コロナ下、アメリカのインディアナ大学が、18~94歳の米国成人約1000人を対象に、オンライン調査を行ったところ、約3分の1にうつ症状と孤独感が認められた。

 うつ症状や孤独感を低下させるには、対面で人と頻繁にコミュニケーションをもつことが有効と言われているが、リモートによるつながりではあまり効果が認められないという。なんとなく、もどかしい。物足りない。画面越しのコミュニケーションは、対面とは質的に異なるのだろう。

 しかし、まったくダメというわけではない。使う我々の側も次第に慣れてきたこともあって、いい具合に、雑談ができるくらいには使いこなせるようになってきたように思う。

雑談のなかにはヒントがたくさんある

 この連載の担当者とも3週間に1回程度、ZOOM会議を開いている。議題を決めず、それぞれが気になっていることを話す、ブレインストーミングスタイルだ。コロナ前、年に数回、会食をしながらそんな機会を設けていた。コロナになってから必要に迫られてリモート会議をするようになったが、むしろ頻回に意見交換できるようになった。

 先日のZOOM会議で、酒好きの編集O氏が、「酣(たけなわ)」という言葉が気になると言いだした。「酣」とは、「真っ盛り」という意味。だが、「宴も酣ですが……」というように、たいていは終わりを迎えようとしているタイミングで用いられる。真っ盛りの時が終わりの予感とともに訪れるというのは、人生も同じだと思い、数回前のこの連載で、作家の佐野洋子さんの人生最後の物欲について書いた。

 そのO氏が今度は、「而今(じこん)」という言葉を口にした。「今、この一瞬」という意味だという。難しい言葉を知っているなあと感心していたら、人気の日本酒の銘柄だそうだ。

 もっと詳しく知りたいと思い、ネットで検索していたら、「而今」という名の油そば屋が出てきた。ぼくは油そばが結構好きで、江戸川橋近くの東京麺珍亭本舗にはときどき行く。酢とラー油を混ぜ合わせながら、少ない汁を絡ませて食べるシンプルな油そばだ。

関連記事

トピックス

緊急入院していた木村文乃(時事通信フォト)
《女優・木村文乃(37)が緊急入院していた》フジ初主演ドラマ撮影中にイベント急きょ欠席 所属事務所は「入院は事実です」
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
《豊田市19歳女性刺殺》「家族に紹介するほど自慢の彼女だったのに…」安藤陸人容疑者の祖母が30分間悲しみの激白「バイト先のスーパーで千愛礼さんと一緒だった」
NEWSポストセブン
女子児童の下着を撮影した動画をSNSで共有したとして逮捕された小瀬村史也容疑者
「『アニメなんか観てたら犯罪者になるぞ』と笑って酷い揶揄を…」“教師盗撮グループ”の小瀬村史也容疑者の“意外な素顔”「“ザ”がつく陽キャラでサッカー少年」【エリート男子校同級生証言】
NEWSポストセブン
2023年7月から『スシロー』のCMに出演していた笑福亭鶴瓶
《スシローCMから消えた笑福亭鶴瓶》「広告契約は6月末で満了」中居正広氏の「BBQパーティー」余波で受けた“屈辱の広告写真削除”から5カ月、激怒の契約更新拒否
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
《新歓では「ほうれん草ゲーム」にノリノリ》悠仁さま“サークル掛け持ち”のキャンパスライフ サークル側は「悠仁さま抜きのLINEグループ」などで配慮
週刊ポスト
70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン