スポーツ

売上225億円のセレクトセール 浮き彫りになった「ディープの後継不在」

ディープインパクト産駒のゴーマギーゴーの2020(写真:Japan Racing Horse Association)

ディープインパクト産駒のゴーマギーゴーの2020(写真:Japan Racing Horse Association)

 2日間での売り上げは至上最高額となる225億円。今年もセレクトセールは盛況だった。競馬ライターの東田和美氏がレポートする。

 * * *
 7月12、13日に行なわれた今年のセレクトセールは、ディープインパクト産駒がわずかに4頭、キングカメハメハ産駒はゼロ、さらにハーツクライ当歳も3頭のみという状況にもかかわらず、新たなスターオーナーの登場もあって落札総額が史上最高となった。ノーザンファームの上場馬は種牡馬を問わずセリは白熱し、「1強」はさらに確固としたものになった。

 かつては落札価格が1億円を超えるたびに場内で拍手が起きたものだが、いまや「またか」というぐらい当たり前になった。社台グループのクラブによる1歳馬募集はすでに終わっているが、その価格がリーズナブルだと思えてしまうぐらい。会員としては、来年の募集価格に影響を与えないでほしいことを祈るばかりだ。

 今年の特色は高額落札馬の種牡馬が多彩だったこと。1歳馬で1億円を超えたのは28頭いたが、種牡馬も16頭、当歳市場の億越えも24頭で種牡馬数は12頭にのぼった。

 ここ10年ほどは「ディープインパクト産駒」が目玉で、昨年の1歳市場では億越え18頭のうち9頭がディープインパクト産駒で、種牡馬の数は6頭にすぎなかった。当歳市場にしても、ディープの代わりをハーツクライが穴埋めした格好で、種牡馬数はやはり6頭だけ。2018年の1歳市場では23頭の億越えが出たが、その時も種牡馬数はわずか7頭だ。

 今年はこれまで比較的地味だったルーラーシップやダイワメジャー、バゴやシルバーステートなど社台スタリオン以外の種牡馬産駒にも高値が付いた。

 今年上場された“最後のディープ産駒”4頭のうち、社台グループが送り出した3頭は当然のようにすべて億越え。息子たちはといえば、億越えはキズナが5頭、サトノダイヤモンドが4頭で、あとはサトノアラジン、リアルスティール、シルバーステートに、“逆輸入”のサクソンウォリアーと計13頭。しかし6頭の息子のうち3頭の産駒はまだデビュー前。種牡馬成績によるものではなく、先物買いといった様相だ。

 後継種牡馬の地位を早々と固めるはずだったダービー馬ディープブリランテや天皇賞馬スピルバーグは今年のセレクトセールには上場馬がなく脱落模様。リアルインパクト、ミッキーアイルなどもワンパンチ足りないためか、落札額はもうひとつ伸びておらず、ディーマジェスティやヴァンキッシュラン産駒は上場すらない。

関連記事

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン