ファンに直接ボールを手渡す大谷翔平(写真/時事通信フォト)
実際に大谷は、専門誌『野球小僧』(2012年2月号)でこう語っている。
《それまでは自分中心だったと思います。でも、震災後はもっともっと周りのことを考えようと思いました》
この誓いにも似た強い気持ちはメジャーリーガーになったいまも変わらない。
「ハイタッチに手をのばしたのに気づかれずあぶれてしまったチームメートのもとにかけよって手を差し出した」「折れたバットをわざわざ拾って相手チームの打者に渡した」。大谷の魅力は二刀流だけではない。チームメート・対戦相手問わず同じ野球をする仲間全員に敬意を払い、優しく接する姿に全米が沸いている。
「大谷選手としては意識せず自然に振る舞っているのだと思います。彼が岩手での生活で身につけた感性や優しさに加え、野球そのものへのリスペクト、または野球を楽しむという気持ちがグラウンドでの振る舞いに表れ、それがまた多くの人から愛される要因になっている」(佐々木さん)
※女性セブン2021年7月29日・8月5日号