1971年に第1作の放送が始まってから今年で50周年となった『仮面ライダー』。2000年1月スタートの『仮面ライダークウガ』以降の作品では、過去の“子供向け”というイメージから脱却し、世代を超えたファンを獲得することとなった。
また、登場する俳優たちの人気も高まり、握手会などのイベントも行われるようになった。
2002年に放送された『仮面ライダー龍騎』に登場する仮面ライダーは13人に。主人公・城戸真司を演じた須賀貴匡(43才)は当時24才。
彼の端正なルックスはとりわけ女性人気が高く、ライダー俳優として写真集も発売された。東映プロデューサーで2001年『仮面ライダーアギト』から制作に関わっている武部直美さんはこう話す。
「須賀さん以降、本格的にイケメンライダーという呼び名が定着するようになりました。イベントで彼が登場すると、“キャーッ!”と黄色い声援が飛び交う。『ここはアイドルのコンサート会場?』と思うほど、女性ファンが押し寄せていましたね。この頃から子供向けの雑誌だけでなく、女性誌でも取り上げられるようになりました」
イケメンヒーローのみならず、平成以降は、敵役にも悲哀を持たせ、人間味あふれるキャラクターを描くようになる。その代表格が、2003年の『仮面ライダー555(ファイズ)』だ。
仮面ライダーファイズに変身する主人公・乾巧役の半田健人(当時19才)のほか、乾の敵役の澤田亜希として、綾野剛(当時21才)も出演している。
「綾野さんは、これが俳優デビュー作。良心的な心を持っていたにもかかわらず、怪人・オルフェノクに覚醒し、仮面ライダーと対峙する難しい役を見事に演じてくれました。『555』のテーマは正義とは何かを問う作品で、綾野さんの演技には“秘めたる何か”を訴えかけるものがあり、敵役でありながらも、注目を集めました」(武部さん)