「私たちが光浦靖子さんに憧れる理由は、彼女の人生を見てきたからです。芸能界で独自の地位を築き上げ、実績を出す。雑誌やラジオ番組でお悩み相談に真摯に向き合い、時には厳しいコメントもする。憤りや悲しみ、世間とのズレについて赤裸々に綴り、趣味の手芸に没頭し、セカンドキャリアを見据えて留学に旅立つ。よく働き、よく学び、よく遊び、よくよく考えて、プロとして活躍し続けてきた、かっこいいおばさん。慕われるのは当然です。

 一方で私たちは、日本社会がそんな彼女をどう扱ってきたかも、ずーっと見てきました。バラエティ番組でブスと罵られ、まだ発言の途中なのに言葉をさえぎられ、調子に乗るなと笑われる姿を見て、『自分と同じ壁に阻まれている』と感じる女性も多いはずです。だからこそ彼女が望む通りの生き方を応援したくなるのです」(岡田氏)

 岡田氏は、光浦の最新エッセイ『50歳になりまして』で語られたエピソードのひとつが印象に残っているそうだ。それは、普段大人を「○○くんのお父さん/お母さん」というふうに呼んでいる近所の子どもたちが、独身子なしの光浦をなんと呼ぶべきかわからず、「お母さんじゃないもう一人の人ぉ」と声をかけてきたというものだ。

「結婚せず子供もいない働く女性は今まで、呼び方すらわからない『謎の人』であり、お手本も黒柳徹子さんくらいしかいませんでした。しかし非婚化が進む現代では、インディペンデント(自立した)な女性はどんどん増えていきます。世間の認識のほうが変わっていく時代だと思いますよ」(同前)

 全ての女性がキラキラした美人側として生きているわけではない。容姿に心無い言葉をぶつけられたり、「女」としての生き方に悩んだりした経験のある人々だって大勢いるはずだ。そんな女性たちにとっては、周囲にイジられるポジションでありながら、縮こまることなく自分を貫く光浦は理想像となりえるのだろう。

◆取材・文/原田イチボ(HEW)

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン