男性の不妊治療も少しずつ理解されつつある(写真は庄医師)
政府が一部の不妊治療について保険適用の方向で議論を始めていることについて、前出の庄医師はこう期待する。
「制度の充実により不妊治療の治療成績を向上させ、男性不妊治療の重要性を広く世間に周知させる良い機会になると考えております。当院では過去1年間、男性患者さんのおおよそ6組に1組ぐらいが夫婦で来院されており、夫婦で来院される方は以前よりも増えてきていると感じています。不妊検査の受診は男性にとって恥ずかしいものだと思いますが、それを夫婦で来院されるということは、不妊治療に夫婦で真剣に取り組もうとする姿勢の現れでもあると感じています」
制度の充実だけではない、「男性不妊」への意識の変化が今、求められているのではないだろうか。
【プロフィール】庄武彦(しょう・たけひこ)/2003年 産業医科大学医学部卒業。九州がんセンター、産業医科大学病院などを経て、2016年から全国に先駆けた男性不妊専門クリニックとして知られていた『天神つじクリニック』副院長を務める。そして2020年に、同院を引き継ぐかたちで『MRしょうクリニック』を開業する。