国内

五輪の盛り上がりそのままに、若者は「死なないならいいか」で夏休みを満喫するだろう

緊急事態宣言が発令される中、渋谷のスクランブル交差点を行き交う人々(イメージ、時事通信フォト)

緊急事態宣言が発令される中、渋谷のスクランブル交差点を行き交う人々(イメージ、時事通信フォト)

「人流(じんりゅう)」とは、人の移動を伴う動静、人々の流動や動線をいうが、コロナ対策のなかで頻繁に耳にするようになった言葉だ。本当に人出は減っているのだろうか。俳人で著作家の日野百草氏が、東京五輪2020開幕後の連休から、東京都内で休日を過ごす人々の様子を追った。

 * * *

「これだけ人に来てもらうと本当に助かりますよ」

 オリンピック開幕中の都内ショッピングモールは駐車場もほぼ満車、家族連れやカップルで賑わっていた。

「夏は稼ぎ時ですから、ホッとしました」

 おしゃれなアイスクリーム屋は連日の猛暑もあって長蛇の列。モール内の混雑で行列の間隔は詰まりがち、同フロアのカフェも長居する人が多いのか、通路の椅子に腰掛けて多くの人が空きを待っている。

「ここの家賃も高いですからね」

 冒頭からの声はアイスクリーム屋の店員さん。「盛況ですね」と話しかけるとマスク越しに笑ってくれた。

 都内の外国人は思ったより少ない。東京駅周辺、秋葉原周辺、六本木、銀座、歌舞伎町と丸一日歩いたが以前よりは見かけない。いわゆるオリンピックファミリーの特例に対する日本国民の批判、とくに15分以内なら行き先を限定せず自由に外出できると宿泊先で案内していた組織委員会に対して、7月19日に原則である選手村か競技会場内にとどまることを徹底するよう内閣官房が要請したことが効いたのか、外国人は明らかに減った。代わりに増えたのは日本人だった。

もう誰も気にしてないんじゃないですか

「日中は暑いからさ、オリンピックの外人さんは日が落ちるとよく見かけたけど、最近は少ないね」

 勝どき駅近くの公園、月島第二児童公園で夕涼み中の男性が語る。なるほど、そもそも真夏の日中は外に出ない国は多い。それに大会中は取材陣も含めて忙しいのだろう。それも含め、いわゆるバブル方式は一定の成果をあげたということか。ごく一部の外国人選手がやらかしているが、少なくとも東京中がオリンピック外国人だらけという状況は回避できた。

 しかし、このオリンピック開幕後の都心各地は大変な人出となった。ついに緊急事態宣言は意味を失い、人流という一般国民による無言の反乱が始まった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト