星野仙一監督が率いた北京五輪では、中日の岩瀬仁紀が4試合で0勝3敗、防御率11.57と打ち込まれ、準決勝の韓国戦でも決勝2ランを浴びた。中日・落合博満監督は五輪組の復帰初戦となった8月27日の阪神戦で岩瀬を3点リードの9回に登板させ、セーブを上げさせた。試合後、「岩瀬は勝ちパターンで行く投手。そういう使い方をしないと」と言った。岩瀬は帰国後、閉幕までに12試合に投げて9セーブを上げ、救援失敗ゼロだった。岩瀬と同じく不調に終わった投手の帰国後の成績を見ても、北京五輪で防御率4.70の川上憲伸は2勝1ホールド、同じく5.14のダルビッシュ有は5勝0敗と悔しさをバネにしている。
「岩瀬は中日では抑えが定位置だったが、北京五輪では普段と違うセットアッパーとして使われた。普段、マスコミにあまりコメントを残さない落合監督が敢えて口を開いたのは、岩瀬を守るためだったのでしょう。北京五輪の起用法に問題があっただけで、岩瀬自身の力は変わっていないと伝えたかったのでは。この一言で、岩瀬は元に戻れた印象です。青柳の東京五輪はまだ終わっていませんが、チームに帰ってきた時に矢野監督やコーチ陣がなんと声を掛けるか。精神面をどうケアするかが重要です」
阪神、16年ぶりの優勝のためには青柳の右腕が欠かせない。首脳陣の腕の見せ所となりそうだ。