国際情報

中国共産党100周年記念の習近平夫人創作オペラ ヒットに「当たり前」の声も

習近平夫人創作オペラが大きな話題に

習近平夫人創作オペラが大きな話題に

 中国では7月の中国共産党創設100周年を記念して、中国国立舞台芸術センターで30年ぶりに古典的な国民的オペラ「党の娘」が公演されたが、その後も中国各地で上演されるなど、大きな評判となっている。

 この「党の娘」は習近平国家主席の彭麗媛夫人が1991年の党創設70周年の際、創作したもの。今回の再演では党中央宣伝部を総動員するなど、かなりのアレンジを施しており、ネット上では「習近平主席の夫人が創作だから、ヒットして当たり前」などとの書き込みが目立っている。

 オペラ「党の娘」は1958年に中国で上映された同名の映画をもとに、1991年に、人民解放軍総政治部歌舞団の代表的な歌手だった彭氏が中心になって制作・上演した。

 1930年代に江西省にあった共産主義赤軍の本拠地が中国国民党軍に攻撃されたため、共産党軍は背走、残された共産党員の女性が、最終的に国民党軍に逮捕され、処刑されてしまうまでを描いている。オペラでは彭氏が主演で出演した。

 彭氏は当時の大スターで、多くの国民が視聴する大晦日の歌番組で毎年大トリをとるなど国民的な歌手だった。すでに、習氏と結婚していたが、習氏は当時、浙江省党委書記と地方幹部だったため、もっぱら「彭麗媛の夫」として知られていた。

 それほどの人気を誇った彭氏だったが、「党の娘」が公開された1991年はソ連共産党の一党独裁体制崩壊や世界的な共産党勢力の退潮などの影響もあって、中国ではほとんどヒットしなかった。

 ところが、今回の党創設100周年記念での再上演ではオペラだけでなく、伝統的な京劇や河南劇、黄梅劇などのローカルオペラ版も多数作られ、各地の多くの歌劇団がそれぞれ脚色するなどして発表するなど、これまでに600回以上の公演が行われているという。

 ネット上では「30年前の1991年時点では、習氏の中央政界への影響力はほとんどなかったが、習氏はいまでは最高指導者として絶大な権力を誇っており、その夫人である彭氏を無下に扱いことはできない。ヒットしない方が不思議だ」との冷ややかな見方も出ている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン