親子で動画視聴することもあるが…
スマホを手放せなくなった若者にとって、世の中のすべてのものは、「手元で自由に再生・停止できる動画のコンテンツ」に見えているのかもしれない。映画館の数も減少の一途を辿るいま、ますますスマホ動画の比重が増していくことが予想される。ITジャーナリストの三上洋さんはこうした傾向は「思想の偏り」を生むと指摘する。
「YouTubeに限らず、スマホの動画サイトは過去の検索履歴をもとにして、1つの動画を見終わった後に関連する動画を紹介します。つまり、利用者は同じような傾向の動画ばかりを連続して見ることになる。すると情報の内容が偏って、知らず知らずのうちに自分の思想がひとつの方向のものになりがちです。
たとえば、スマホの動画サイトでは『反ワクチン』を謳う動画が数多く視聴されていますが、そこで紹介される内容は科学的に立証されていません。このような動画を1つ見ると、次々に似たような反科学的なものが関連動画として表示され、いわば洗脳されてしまうのです。SNSでも反ワクチンの人とばかりつながって、ほかの意見を持つ人との分断が生じてしまいかねません」(三上さん)
※女性セブン2021年8月19・26日号