芸能

伊藤淳史が主演ドラマで感じた“正義のジレンマ” 子育てでも経験

ドラマ収録中の第3子誕生エピソードを語ってくれた(撮影:小倉雄一郎)

ドラマの問題提起は身近なところにも(撮影:小倉雄一郎)

 8月22日から放送が開始するドラマ『白い濁流』(NHKBSプレミアム)で、主人公・好並一樹役を演じている俳優の伊藤淳史(37)。ドラマを通じた問題提起や私生活における子育ての小さな悩みなどについて本人が語った。

『白い濁流』は薬品開発をめぐる研究者らの葛藤を描いた社会派エンタテインメント作品。伊藤淳史演じる主人公の研究者・好並一樹が“ある画期的な発見”をしたことをきっかけに、研究者仲間で親友の柏木航(桐山漣)とともに止むを得ず不正に加担。それを主人公の幼馴染でもある新聞記者・河原智子(佐々木希)に知られてしまい、3人の人間関係が変化していくという物語だ。

 ドラマ制作開始時に寄せたコメントで、伊藤淳史は「すごく面白いストーリーであると同時にもし自分だったらと深く考えさせられました」と語っていた。具体的にどのような思いを抱いたのだろうか。

「自分が同じ状況に置かれることはほとんどない役柄だったので、自分の経験に置き換えたわけではないんですけど、『もし仮に自分が一樹と同じ立場になったらどうしよう』と考えました。大多数の人にとっての幸せは大事ですけど、それがごく一部の人にとって害になる可能性があった時に、僕だったらどうするべきだろうと。ほぼ全ての人を助けることができるけれど、中には被害を被る人もいる。それを選択しなければならない状況に自分が置かれたらどっちを取るべきなのか、すごく考えさせられるなと思って。

 今回僕が演じた一樹の場合は、テレビでオンエアされたら自分が嫌われるかなと思うぐらい、最低な人間として演じました。けれど一樹がそういうことをしてしまうのはちゃんと理由がありますし、ブレない正義感があってのこと。自分が築いてきた正義を貫くために最低なことを言ってしまう。とてもやりがいがある役柄でもあるので、台本に書かれている以上に酷く冷たい男として演じました。

 一樹はただの悪じゃないんですよね。いわば“正義のための悪”で、僕自身はこれまではあまり悪役を演じた経験はなかったんですが、社会の濁流に飲み込まれて現実を突きつけられた時に悪い方に行ってしまう、そういう人間をどう表現しようかとすごく考えました。一樹が酷い言葉を投げかけるシーンを撮り終わって帰る時に、共演している西村まさ彦さんに『楽しいでしょ? すんごい楽しそうな目をしているよ』って言われて、西村さんには全てお見通しというか(笑)、そのぐらいの思いでやりがいを感じながら取り組んだんです」

(写真提供:NHK)

製薬会社社長(西村まさ彦)から持ちかけられた相談とは…(写真提供:NHK)

関連キーワード

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン