新型コロナウイルス感染症対策としてカラオケは要注意な場所と言われてきた(イメージ)
もちろん、在京キー局を始め、多くのテレビ局では感染対策を実施し、出社する人数を制限するなどしている。だが、テレビ番組制作という仕事の性質からいって、全てをリモート方式で進めるのには無理がある。そう主張するのは、在阪準キー局の社会部記者だ。
「打ち合わせも密、取材も密、編集作業も密。スタッフが近い距離に集まってああでもないこうでもないと寝ないで議論を重ね、やっと番組ができる、というのが当たり前とされてきました。リモートが取り入れられても、こっそり社外で落ち合って打ち合わせをしたり、夜な夜な闇営業の居酒屋に出かけて、会議をする人間が後を絶たない。そこで感染するスタッフや関係者も少なくなく、でも仕方ないか、で済まされる気がします」(在阪局社会部記者)
この記者は「テレビ局スタッフは特別だ」という自意識が、このような事態を呼び起こしているのではないかと見ている。
「テレビ局スタッフは、多くの関係者が職域接種でいち早くワクチン接種を済ませています。そのためか、二回目のワクチンを打った社員がもう安心だとばかりに家族旅行に出かけつつ、一般のワクチン接種が進んでいないことを嘆くというおかしなことになっている。一般人から見れば『選民意識』があるのではないかと疑われても仕方がない。報道をはじめ、テレビ制作という仕事は人々の生活に不可欠な仕事だと思いますが、だからといって許される話ではない」(在阪局社会部記者)
こうしたテレビ局スタッフの姿勢が見え隠れしているためか「テレ朝騒動」は、今なおネットでくすぶり続けている。
「テレ朝関連のTwitterアカウントには、連日のように謝罪しろ、放送免許を返上しろと批判を超えた中傷や嫌がらせが続き、取材活動の妨げになっているようです。テレビや新聞などで働く知人は『ああはなりたくないね』と笑っていますが、その意識こそが危ないと思います」(在阪局社会部記者)
「マスコミと一般人」の溝は、コロナ禍で深まる一方である。