ライフ

“ピンピンひらり”と老いを生きる 鎌田實医師が考えるあの世への行き方

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 東京大学が猫の死因の大半を占める腎臓病治療薬研究をしていると報じられたところ、愛猫家から寄付が殺到。この治療薬が開発されれば、猫の寿命が今より15~20年伸びそうだという。このニュースを知った諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、様々な動物の寿命と、長生きの仕方について考えた。

 * * *
 東大の「猫の腎臓病治療薬研究」で猫の寿命が延びるかもしれないと聞いて、他の生き物は何歳まで生きるのだろうか、好奇心がわいてきた。

 身近なところでは、コイ。226年生きた錦鯉がいる。オウムも大型なものは100歳になるものもいるという。飼い主のほうが先に亡くなってしまい、行き場に困ったオウムの話も聞く。

 10年ほど前だが、エクアドルのガラパゴス諸島に行ったことがある。ダーウィンが1835年に1か月ほど滞在し、進化論のヒントとなった島だ。

 ゾウガメの亜種であるピンタゾウガメのロンサム・ジョージはまだ存命中で、会うことができた。ゾウガメでは200歳、250歳と長寿の個体が報告されているが、ロンサム・ジョージは推定100歳で死亡した。ゾウガメにしては、まだまだ若い死だった。

 ちなみに「ロンサム・ジョージ」(孤独なジョージ)と呼ばれるのは、子孫を残さなかったためだが、最近の研究では、ジョージと血縁があるかもしれないゾウガメが発見され、検証が待たれている。

 北極海などの深海にすむニシオンデンザメは、400年以上生きられるとか。全長約5メートルのある個体は推定272~512歳といわれる。長生きの秘訣は、冷たい深海で、ゆっくりと成長することにありそうだ。メスは成熟するまで150年もかかるというから、なんとも気が長い。

 サメというと俊敏で、獰猛というイメージだが、泳ぐ速度は時速1キロとかなりのんびりしている。尾びれを左右に振るのに7秒もかける。ニシオンデンザメにしても、ゾウガメにしても、なかなかのスローライフだ。落ち着きのないぼくにはとても真似できそうもない。もっとも、彼らの世界にも、彼らなりにせっかちなヤツはいるかもしれないが……。

関連キーワード

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン