直近2年で松木氏の「いいボールだ!」は5勝1敗2分で勝率8割3分3厘。もはや、松木氏が「いいボールだ!」と叫び、視聴者が「全然いいボールじゃないだろ!」と突っ込む時代は終わったと思われていた。
だが、今回のオマーン戦で“異変”が起こった。松木氏が「いいボールだ!」と叫んだ時の状況と結果を検証してみよう。
前半30分:「お~~いいボール!」 酒井宏樹のクロス → △ 大迫勇也が競るも、相手DFにクリアされる
前半37分 :「いいボールだね!」 鎌田大地のCK → × 相手ディフェンス(DF)が難なくクリア。全然いいボールではなかった
後半9分:「よーし! よし! いいボールだ!」 酒井宏樹のクロス → ○ 長友がヘディングシュートも枠外
後半12分:「うわ~、いいボールだ!」 古橋亨梧のクロス → × 相手GKパンチング
後半40分 :「おー、いいボール!」 久保建英のFK → × 相手GKキャッチ
松木氏はオマーン戦で「いいボール」と5回叫び、1勝3敗1分の勝率2割5分だった。近年、松木氏の「いいボールだ!」が、本当にいいボールになっていたにもかかわらず、なぜオマーン戦では精度が下がったのか。
0対0の膠着状態が続く後半12分、古橋が左サイドでDFをかわしてクロスを上げるシーンを振り返ってみよう。
松木氏:わ~、いいボールだ!
実況:いいボールだ! キーパーパンチング。いや~松木さん、古橋いい形を見せました!
松木氏:いや、いい! いいボールだ!
吉野真治アナも松木氏に釣られるように「いいボールだ!」と言ったが、結果に合わせて「いい形を見せました」と言い方を変え、切り返しの連続からクロスを上げたことに言及したと思われる。だが、松木氏は誰も合わせられなかったボールに対して、もう一度「いいボールだ!」と叫んだ。キーパーさえいなければ味方に合ったボールではあるが、それは「キーパーがいなければ入っていた」と同じことである。