スポーツ

競馬の格言「夏は格より調子」を勝ち馬と一番人気馬の斤量で比較して検証

夏競馬の格言「夏は格より調子」を検証(イメージ)

夏競馬の格言「夏は格より調子」を検証(イメージ)

 誰もが夢見る“馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏も、馬券生活を夢見て日々、競馬の研究に勤しんでいる。そんな須藤氏が、万馬券ゲットのために夏競馬の格言「夏は格より調子」を検証する。

 * * *
 夏の格言のうちで知られたもののひとつ。以前に検証した「夏は牝馬を狙え」と同様、実績下位の馬に逆転の目がある。その点で魅力的である。

 夏は予定調和を壊す。暑くてコンディション維持が難しい。地方の競馬場はコース的に紛れが起こりやすい。格下だからノーマークで思い切った競馬ができる。理由はいくつかありそうだ。

 いきなり話は飛ぶが、かつて私が相撲記者だったときに聞いた話。ある平幕力士は7月の名古屋場所と9月の秋場所に三役力士によく勝った。力士は暑さにとても弱いから、この時季は節制できるかどうかで勝負が決まると。ひょっとするとこの競馬格言を土俵に流用したのかも知れぬ(原則、力士は競馬禁止ですけど)。

「格」とは、ありていに言えば実績。馬柱を凝視せずとも斤量を見ればわかる。重鎮というくらいで重いのである。先に行われた夏の新潟の風物詩、アイビスサマーダッシュでも、馬名からして風格溢れるライオンボス(57キロ)を51キロのオールアットワンスが破った。オールは1番人気(1人)だったけど、この格言どおりだなと思ったものである。

 実績十分の格上馬を軽やかに打ち負かす。そのへんの逆転具合は実際どうなのか。例によって「JRA-VAN TARGET」を使ってデータを取ってみた。2016年までさかのぼって、オープン以上の8月のハンデ戦(29レース)、別定戦(34レース)である。勝った馬の斤量と、1番人気馬の斤量と着順を見た。

 1人を背負って勝ち切ったのは19回。うち51キロが1回、53キロの軽量が2回。あとは54~57キロ。格を見込まれたもののしっかりと勝っているケースも多い。

 勝った馬の平均斤量はハンデ戦で55.95キロ。別定戦で55.32キロ。データを取ると、まあこうなるのだった。人気薄で斤量54キロ以下の逆転はハンデ戦で15回あった。高率である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン