5年前のデータをつらつらと見ていて、記憶がよみがえった。2016年の小倉記念。11人の【3】クランモンタナ(54キロ 和田竜)が勝ち切った。私は3着に入った【2】エキストラエンド(57キロ 浜中 6人)推しで、【2】【3】のワイド(2950円)を取ったのだった。4着に敗れた1人のダコール(58キロ 小牧)は実績十分ながら、なぜか眼中になかった。あのとき格言がよぎったのかどうかは忘却の彼方。
今年の小倉記念も人気のヴェロックス、ファルコニアを切り、まだ3勝クラスの3頭に目を付けた。小倉巧者のグランスピード(7人)は逃げバテしてビリだったが、モズナガレボシ(6人)が差し切り。スーパーフェザー(8人)も3着。ワイドだったらドンピシャだったのに!
【プロフィール】
須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。
※週刊ポスト2021年9月10日号