8月20日からドラマがスタートして約半月。金田氏は、放送を通じてあらためて感じた松本穂香の演技の魅力についてこのように語る。
「松本穂香さんについては、事前に2018年放送のドラマ『この世界の片隅に』(TBS系)のヒロイン・すず役を見たことがあるのですが、今回の『刃牙はBL』でのあかね役との、あまりの振り幅の大きさ、演技の幅に驚きました。『刃牙はBL』の松本さんはコミカルでオーバーな演技なのですが、私自身も日頃オーバーな言動をしがちなので、わざとらしさがなく自然だと思います。
特報映像にも出てくるのですが、『グラップラー刃牙』シリーズのメインキャラクター・愚地克巳がかっこよすぎて『ピィ〜〜ヤァ〜〜』という奇声を上げる松本さんの演技が特に気に入っています。完璧です」
『この世界の片隅に』といえば、こうの史代の同名漫画を原作とした、“戦争と広島”がテーマの物語。2016年に公開された片渕須直監督によるアニメーション映画が興行収入27億円を突破する大ヒットを記録し、主人公・北條すずの声をのんが演じたこととあわせて大きな話題となった。2018年のテレビドラマ版では、約3000人のオーディションの中から松本穂香が主演に抜擢。感情を剥き出しにした演技には多数の称賛の声が寄せられたが、たしかに『刃牙はBL』のコミカルな演技とは全く異なるものだった。
原案者が“擬人化”と評する過剰なオーバーアクションを自然な演技でこなす松本穂香。2021年下半期の活躍にも注目が集まりそうだ。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)