巨人は2019年オフにFA宣言をした楽天の美馬学(現・ロッテ)、ロッテの鈴木大地(現・楽天)の獲得に名乗りを挙げたが、2人とも他球団へ移籍した。美馬はロッテ1年目の昨年、初登板から7試合目まで全て先発で2勝2敗、防御率5.71と奮わなかった。しかし、8試合目から5連勝して、最終的には10勝(4敗)と自身2度目の2ケタ勝利を挙げた。同じく巨人に移籍しなかった鈴木は、楽天1年目の昨年、開幕6戦目まで22打数3安打で打率1割3分6厘と絶不調だったが、最終的には自己最高打率の2割9分5厘を打った。
「ともに巨人なら、早々にローテーションやスタメンを外されていたかもしれません。美馬は楽天時代に大エースではなかったし、鈴木もロッテ時代に打撃タイトルを取ったわけではない。その実績を考えると、もし巨人に行っていたら、出場機会が大きく減らされていたのではないでしょうか。そう考えると、2人の選択は賢明でした。
今オフは、広島の大瀬良大地やDeNAの宮崎敏郎、中日の祖父江大輔、阪神の梅野隆太郎などがFA権を行使するか注目されています。一昔前なら、FAして巨人が手を挙げれば即決のような状態でしたが、最近はその傾向も薄れてきている。しかも、ここ数年の陽、野上亮磨、井納などを見れば、巨人へ行くことのリスクも感じるはず。美馬や鈴木大地が巨人に入らずに、新天地で活躍していることも参考になるでしょう」
まだ気は早いが、巨人で成績を残せないFA移籍選手の増加がFA市場に変化を与えそうだ。