もっとも、この動きには党内でも冷めた視線が送られていると、全国紙の政治部記者は言う。
「今井氏は、推薦人に名を連ねる数日前まで、メディアの取材に『(誰を支持するかは)まだ決めていません。(候補者の)政策もまだこれからなので、よく見てから決めたい』と答えていたのに、何日かの間に支持どころか推薦人になるとは、“決断”するのが早すぎるでしょう。
今井氏は、最近はプロレスデビューした息子の礼夢くんの応援にハマっていて、先日も議員会館に礼夢くんの対戦相手を招き入れ、試合前の盛り上がりに一役買ったばかり。本気で総裁選に取り組んで岸田氏を支援する意志があるようには思えません。
今井氏には橋本健・元神戸市議との不倫疑惑が発覚した際、離党や議員辞職を求める声が上がってもおかしくないなか、麻生派の重鎮たちに守ってもらったという負い目がある。彼らに『名前を貸してくれ』と言われれば、ノーと言えないでしょう」
この総裁選は、候補者たちはもとより、それを支持する各議員たちそれぞれの事情も浮き彫りにしている。