相性を考える上で大きな要素として食の好み、笑いのツボ、スポーツへの理解度などがよく俎上にあがるが、世の中のイシューについてどう考えるか、も重要である。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。
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注目を集めている問題に対して、どんな意見を持つか。それはもちろん個人の自由です。「こう考えるべきだ」「そう考えるのは許さない」と言われたら、たまったもんじゃありません。同時に、自分とは違う意見を持つ相手に対して、「あの人とは、わかり合えそうにないな」「そうなのか、残念な人だな」と感じるのも、また自由です。
逆に言えば、意見が分かれる問題について「同じ側」にいる相手とは、きっと仲良くできるでしょう。同僚や新しい知人や友だちの友だちと、より深い付き合いができそうか、うわべの付き合いが無難か、はっきり距離を取ったほうがいいか。「日本の論点」となっている3つの問題について、相手が「どっち側の人か」を知ることで、自分との相性を占ってみましょう。
●論点その1「眞子さまと小室圭さんの結婚に賛成か反対か」
しょせんはよその家のよく知らない同士の話なんですけど、熱く語りたがる人は少なくありません。「絶対に許されることではない」「とんでもないことである」と反対する人と、「本人たちが結婚したがってるなら、許してあげようよ」「まあ、どうでもいいよ」と賛成または容認する人。大まかには、この2派に分かれています。
さまざまな調査によると「反対派」のほうが多そうですが、多数決でどうこう言う問題ではありません。その人がふたりの結婚をどう思っているかを知れば、人となりや生きる姿勢のようなものをかなり知ることができます。
●論点その2「選択的夫婦別姓(別氏)制度の導入に賛成か反対か」
選択的夫婦別姓(氏)制度とは、夫婦が望む場合は、結婚後も結婚前の姓(氏)を称することを認める制度のこと。「選択的夫婦別姓制度」が一般的ですが、法律では「姓」や「名字」を「氏」と呼んでいるので、お役所などでは「別氏制度」と言っています。もう30年ぐらい前から要望や必要性が強く叫ばれ、国会などでも議論されてきました。
「姓が変わることで不都合がある人も多いし、あくまで『選択制』なんだから、さっさと導入すればいいのに」と思っている人もいれば、「そんなことをしたら日本の伝統が壊れる」「家族が崩壊する」と反対する人もいます。反対する理由を聞けば聞くほど首を傾げたくなりますが、その人がそう思うのは仕方ありません。
賛否を問ういろんな調査を見ると、最近は「賛成派」が7割とか8割とかを占めるようになっています。こちらは国の制度の問題なのでどちらの意見に支持が多いかはけっこう大切ですけど、反対派の人は「多数決の問題じゃない」と思っていることでしょう。