芸能

談志・没後10年 高田文夫が振り返る「落語の師匠」「心の兄貴」の思い出

立川談志が亡くなってからもう10年

立川談志が亡くなってからもう10年

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。没後10年、落語の師匠であり芸能界の親分であり、ロック魂的には心の兄貴でもあった立川談志についてつづる。

 * * *
 自分で考えていた戒名が「立川雲黒斎家元勝手居士」。“うんこ・くさい”なんて事を死ぬまで言ってる大人なんてこの師匠しかいない。お墓にはきちんとこの戒名が刻まれている。

 10年前「談志が死んだ」(下から読んでも)の文字が紙面に大きく……。2011年(平成23年)11月21日死去。享年75。そうかあれから10年たつのか……談志の写真を見ながら、柄にもなくしみじみしてしまう。私だってあと2年もすりゃ75なのだ。自分は何をしてきたかなと考えてしまう。

 立川談志は私の落語の師匠であり芸能界の親分であり、ロック魂的には心の兄貴でもあった。談志が亡くなった丁度ひと月後私の一番弟子を自負していた天才映画監督森田芳光が亡くなった。大震災のあったあの年の最後である。このタイミングでやたら「談志師匠没10年」「森田監督没10年」この機に乗じてってのも変だが中には「2001年高田さんの盟友古今亭右朝が亡くなってすぐにその師である志ん朝師が亡くなり、あのニューヨークテロからも20年。何かコメントを……短い想い出エッセイなど?」なんて依頼が続く。

 立川談志は1936年(昭和11年)東京市(この表記が古いネ)小石川区に生まれる。私の記憶が確かなら同い年は長嶋茂雄、故・桂歌丸、故・東八郎のはず。1952年に16歳で柳家小さんに入門。「なんで小さん師匠を選んだの?」ときいたら「清潔そうな芸風が好きだった」と言った。

 本名が松岡克由なので「小よし」。1954年二ツ目に昇進「小ゑん」と名乗る。私は1962年あたりに小ゑんの名で司会をやっていた『歌まね読本』をずっと見ていた。ヒットCMは“ホンコンやきそば ホンコンにうまいよ”これでもう私のハートはわしづかみにされた。1963年志ん朝に抜かれて頭にきて立川談志で真打昇進。1965年には新宿紀伊國屋ホールで『立川談志ひとり会』スタート。私も客席へせっせと通い始める。この頃、マスコミから有望な若手という事で“若手四天王”と呼ばれる。「純烈」みたいなことか。志ん朝、談志、柳朝、圓楽である。ああもう字数が。

関連キーワード

関連記事

トピックス

性的暴行疑いで書類送検されたお笑いコンビジャングルポケットの斉藤慎二
《連絡しても反応がない》タレント女性に不同意わいせつのジャンポケ斉藤慎二、周囲が懸念していた「感情の浮き沈み」
NEWSポストセブン
織田裕二
織田裕二、世界陸上にアンバサダーとしてカムバック 「世界陸上の顔」としての多大なる影響力を無視できなかったTBS 
NEWSポストセブン
お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二と妻・瀬戸サオリ
《家族と別居状態だったジャンポケ・斉藤慎二》妻は「一部事実と違う報道」インスタで言及の“決断”、不同意わいせつで書類送検
NEWSポストセブン
俳優、タレント、番組MC、育児と多忙な日々を送る二宮和也
《11月3日にデビュー25周年》嵐“6つの企画”が発表されても簡単ではない「グループとしての活動再開」 二宮和也は結成記念日にコメントなし 
女性セブン
ジャングルポケットの斉藤慎二と妻・瀬戸サオリ
【ロケバス不同意性交で書類送検】ジャンポケ斉藤メンバーが正月に見せていた妻・瀬戸サオリとの「シャネルやハイブラジュエリー物色」家族サービス現場
NEWSポストセブン
石破茂・首相の短期決戦の賭けはどんな結果となるか(時事通信フォト)
【10.27総選挙289全選挙区緊急予測】自民党が「53議席減」、自公でも過半数割れの衝撃シミュレーション結果 新閣僚3人も落選危機
週刊ポスト
詐欺罪などに問われている“頂き女子りりちゃん”こと、渡邉真衣被告(時事通信フォト)
パパ活“頂き女子りりちゃん”「獄中手記」1話300円で有料配信の狙い 電子書籍としても発売予定か
週刊ポスト
父娘ともにお互いを利用せず活動を続ける(Xより)
《あざと女王の森香澄アナ(29)ショック》「放送作家の実父」経営のラーメン店がオープン4カ月、『がっちりマンデー!!』放送直後に廃業の意外な理由
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の機関紙『山口組新報』、自虐ネタが消え〈物価高 嫁のやりくり ブッダかな〉〈値上げだと? 家の家計 音を上げる〉と経済苦を嘆く
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《「根拠のない情報」発言の真相》宮内庁の幹部たちが最も否定したいのは悠仁さまの「進学先」ではなく、「成績不振報道」だった 東大農学部とは“相思相愛”か? 
女性セブン
田村瑠奈被告と父・修被告
「俗に言う“お持ち帰り”をされた」「最後の行為でゴムを取られて…」父・田村修被告が証言した“瑠奈被告と被害男性のプレイ詳細”
NEWSポストセブン
ヤマハ発動機の日高元社長(共同、時事)
《娘に切り付けられ退任》ヤマハ発動機社長、事件前に目撃されていた“父娘の散歩” 名古屋出身も「俺はトヨタよりこっちのほうが…」見せていたバイク愛
NEWSポストセブン