ビジネス

知っておきたい「半導体」の基本 誕生秘話、種類、米中対立など

半導体ができるまで

半導体ができるまで

 スマホやパソコンのみならず自動車から新幹線にいたるまで、あらゆる電子機器を動かす半導体。今日から新聞の経済面が面白いように理解できる、これだけは知っておきたい半導体の「基本のキ」を紹介しよう。

そもそも半導体って?

「半導体」とは、電気を通しやすい「導電体」と、通しにくい「絶縁体」の中間の性質を持った物質のこと。温度や圧力の環境、不純物の有無などによって「導電体」になったり、「絶縁体」になったりする特徴を持っている。代表的な半導体はシリコン(ケイ素)だが、今日では、こうした物質を材料にしたダイオードやトランジスタ、LSIなどといった電子部品を半導体と呼ぶのが一般的だ。

“20世紀最大の発明”半導体の誕生秘話

左から、トランジスタを発明したジョン・バーディーン、ウィリアム・ショックレー、ウォルター・ブラッテン。バーディーンは超伝導理論の研究でもノーベル物理学賞を受賞(写真/AFLO)

左から、トランジスタを発明したジョン・バーディーン、ウィリアム・ショックレー、ウォルター・ブラッテン。バーディーンは超伝導理論の研究でもノーベル物理学賞を受賞(写真/AFLO)

 物質としての半導体の性質を発見したのは、英国の物理学者ファラデーといわれる。実用的な技術として発展したのは、米国のAT&Tベル研究所のJ・バーディーンとW・ブラッテンが点接触型トランジスタを発明した1947年。真空管に代わる技術として、“20世紀最大の発明”といわれた。この功績が称えられ、バーディーンらは1956年にノーベル物理学賞を受賞している。

半導体の種類はこんなにある

半導体の設計・製造

半導体の設計・製造

 半導体には様々な種類がある。大別すると、計算機能を持つ「ロジック半導体」、データを保存する「半導体メモリ」、電力制御の「パワー半導体」、光を電気信号に変換する「イメージセンサー」などが挙げられる。

 半導体は設計から製造、販売まで一貫して自社内で行なうのが一般的だったが、1980年代後半頃から、ロジック半導体の分野では設計だけを手がけて製造工場を持たない「ファブレス」、受託製造に特化する「ファウンドリ」という分業モデルが世界的な潮流となった。

 このモデルを創り出したのが、台湾のファウンドリ企業・TSMC(台湾積体電路製造)。ファブレスへ傾斜する企業の増加を背景に受託製造に徹し、今日では2~3世代先といわれる極小ICチップ製造を可能にする技術の高さで市場を席巻。現在、TSMCの時価総額はトヨタ自動車の2倍、約60兆円を誇り、半導体業界の“巨人”として世界市場に君臨している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン