岸田文雄・新首相が10月4日、衆院選の日程について「10月19日公示、31日投開票」とする意向を表明した。当初有力視されていた「10月26日公示、11月7日投開票」から“1週前倒し”となった背景には様々な思惑が交錯していた。
大手紙政治部記者が言う。
「就任から投開票までの期間をできるだけ短くして、“ご祝儀相場”が続いている間に選挙をやってしまおうというシナリオでしょう。もともとは一般党員からの支持が高く、総理になれば高い支持率での船出が期待できた河野太郎氏(党広報本部長)の周辺で検討されていた筋書きのようですが、それを岸田首相周辺が採用したのではないか。ただ、岸田新政権の支持率は40~50%と政権発足直後としては物足りない数字で、計算通りにいくかはわからない」
“前倒し”の影響は様々なところに及ぶ。自民党関係者はこう話す。
「10月30~31日にはイタリア・ローマでG20首脳会議が行なわれる。4年半あまりにわたって外相を務めた経験のある岸田首相にとっては、総理大臣として華々しい“外交デビュー”を飾って投開票日に向けて弾みをつけようとすることもできたが、今回はリモート出席となる見込みだ」
政界関係者の間で注目されているのが選挙期間の真っ只中にあたる10月26日に、眞子さまと小室圭さんの結婚が予定されていることだ。11月7日投開票なら、まさに10月26日が公示日にあたってしまうため、それを避けたとも報じられたが、それ以外にも複数の見方がある。
「普通なら皇室の慶事ですから、“お祝いムード”を政権与党の追い風にしたいと考えるところでしょう。2019年7月の参院選の直前に、当時の安倍政権は改元祝賀ムードを持続させるべく、5月末に新天皇が迎える初の国賓としてトランプ大統領(当時)の来日をセットしたりと、政権浮揚につなげようとする意図が垣間見えた。しかしながら、根強い反対もあるなかでの今回の眞子さまと小室さんの結婚が“祝賀ムード”を巻き起こせるかは不透明です」(前出・大手紙政治部記者)