「投手で高卒プロ」の信念
金井擁する横浜高は、2年秋の県大会準決勝で東海大相模にコールドで敗れ、センバツ出場を逃した。先発の金井は打者2人に死球、四球を与え、わずか6球で降板。大会前に左ヒジを痛めた影響で投げ込みができず、不安を抱えながらのマウンドだった。試合後、金井は険しい表情で語った。
「背番号1を着けているのに、情けないです」
この敗戦以降、ヒジの状態もあり、野手中心のメニューに取り組んだ。50mを6秒0で走る脚力を持ち、バッティングセンスも高い。本気で外野手に専念すれば、上のレベルを狙える能力があるが、高校入学時から抱いていた「投手で高卒プロ」という信念は揺らがなかった。
横浜高校の速球派左腕・金井慎之介投手
リベンジの機会が巡ってきたのは、3年春の県大会準決勝、桐光学園戦。村田浩明監督はここまで登板がなかった金井を先発に抜擢したが、初回から制球を乱し、3回途中、5四死球5失点で降板した。ストレートの制球がまったく定まらず、スライダーで何とか凌いだが、らしさは見えなかった。