芸能

岡田准一主演の映画『燃えよ剣』、時代劇研究家が指摘する3つのこだわり

ドラマが絶好調

鈴木亮平は近藤勇を演じる

 歴史小説の大家・司馬遼太郎の同名ベストセラー小説を映画化した映画『燃えよ剣』が話題を呼んでいる。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんによれば、多くのこだわりが詰まった作品だという。ペリーさんが見どころを解説する。

 * * *
 15日に公開された映画『燃えよ剣』は、幕末、鮮烈な存在感を示した新選組の “鬼の副長”土方歳三(岡田准一)を軸に、近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)ら隊士たち、敵対した男たちと、動乱の時代を描く。

 武州多摩、百姓の子でケンカに明け暮れる“バラガキ”(不良少年)土方と武士の子で天才的な剣の腕を持つ沖田。ふたりは、同郷の近藤勇(鈴木亮平)らとともに京へ上る。京都守護職・会津藩の後ろ盾を得た彼らは、芹沢鴨(伊藤英明)を局長とした「新選組」を結成。厳しい局中法度を定めて隊を統率する土方は、乱暴狼藉を続ける芹沢一派の暗殺を実行する。近藤を中心に結束を固めた新選組は、池田屋騒動でその名をとどろかせるが、世の流れは彼らを追い詰めていく。

 司馬遼太郎のベストセラー原作は、これまでにも何度か映像化されてきた。その中で、新作の大きな特長は、「こだわりが詰まっている」ということだ。

 こだわりその1は、ロケ。二条城、東寺、仁和寺、東本願寺、姫路城など世界遺産や国宝級建造物でのロケとともに、オープンセットには三条通、御池通など125メートルの町並みを丸ごと特設。その中心となる池田屋を完全再現したのは宮大工だった。また、鳥羽伏見、五稜郭での戦には総勢3000人ものエキストラを動員。壮大な激戦が繰り広げられる。

 こだわりその2は、外見。土方歳三にきりりとした剣士というイメージを持っている人は、この映画の序盤「これが土方?」と驚くかもしれない。京で田舎者と侮られまいと胸を張って歩く近藤とは違って、土方の歩き方は、はっきり言ってカッコよくないのである。もともと「石田散薬」という薬を担いで各地を売り歩いていた土方の歩き方は、原作には眼をぎょろぎょろ光らせ、街道を足で噛むようにして歩く「歳の鬼足」、韋駄天張りの足の速さだと記されている。そのウォーキングスタイルが、あるきっかけで変化する。その瞬間に、岡田准一のこだわりを感じる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン