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2021.10.17 07:00  NEWSポストセブン

新築マンション「期分け販売」の実態 即日完売の「パンダ部屋」をつくるワケ

「登録抽選」で落とされるクレーマー

 また、期分け販売で各期とも「登録抽選」という手法を用いることで、売り主側は「売りたくない客」を排除することも可能である。

 マンション業界ではよく知られているクレーマーがいる。彼らは購入契約した住戸に様々なクレームを言い立てて値引きを要求したり、引き渡し後の買い取りを迫ったりすることもある。売り主側からすれば、そういう面倒くさい客には買って欲しくない。だから買わせないようにするのだ。

 方法は抽選で落とすのである。そういうクレーマーが登録した住戸では、他の登録者を当選させる。他に客がいなければ、ダミーの登録を入れて、そちらを当選させる。後ほどダミー登録者がキャンセルしたことにすればよいのだ。

 新築マンションの登録抽選というのは、売り主側が買って欲しい人が当選することになっている。それは確実にローン審査が通り、クレームがなさそうな登録者である。

 筆者はもう35年以上もマンション業界の周縁で生きてきたが、あの世界は日本でもっとも消費者を軽視しているのではないかと思う。

 ある時、知り合いのライセンサーが財閥系大手の人気物件を購入しようと登録したのだが、あえなく落選した。彼は不動産屋が最も客にしたい類のライセンサーだったのに、販売担当者にしっかりと購入の意思と能力をアピールしなかったのだろう。

 私はライセンサー氏に頼まれたので、その財閥系大手に「彼が買える住戸はないの」と聞いてみたら、すぐに希望に近い住戸を「キャンセル住戸だから」と言って紹介してきた。結果、彼はその人気マンションに居住中である。

 新築マンションの販売は、外形的には消費者利益を尊重するルールに則っている。しかしその運用はかなり販売側の都合で歪められているのが実体なのだ。

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