即日完売を謳う“パンダ住戸”
「晴海フラッグ」で71倍になったような住戸は業界用語で「パンダ住戸」と呼ばれる。「パンダ」とは「人寄せパンダ」のこと。昭和期にできた広告用語ではないか。意味としては、人を集める効果を持った人や物のこと。「実力が伴わない」という否定的なイメージもある。
とはいえ、「最高倍率は71倍」とメディアに報道させることで、あたかもそのマンション全体が相当の人気がある=評価の高い物件であるという印象を演出できる。さらに、「第1期600戸即日登録完売」と謳えれば、広告戦略としては完ぺきだ。
ところが、この選手村跡地マンションは第1期600戸が「即日登録完売」できないまま、「第1期2次」販売に突入し、そこでも完売できなかった。そうこうしているうちに2020年初頭にコロナ騒動が勃発。五輪開催が危ぶまれる中、「引き渡し予定」の時期を未定にせざるを得なくなった。
五輪が閉幕した現在、引き渡し時期を1年延期しての販売活動が再開されている。かつて演出した人気がどこまで継続しているかは、まもなく分かるはずだ。