ライフ

がん手術、部位・ステージ別5年生存率一覧 「する」「しない」どちらが長生きか

がんの治療をどう検討する?(写真はコロナ禍で行われたガン検診の様子/共同通信社)

がんの治療をどう検討する?(写真はコロナ禍で行われたガン検診の様子/共同通信社)

 がんが見つかった時、患者がまず直面するのは「どの治療を選択するか」という問題だ。がんの「3大治療」といえば「手術(外科治療)」「放射線治療」「化学療法(抗がん剤)」が知られているが、なかでも第一選択肢として医師から提案されることが多いのは「手術」である。

 しかし、ひと口にがんと言っても部位やステージによって、治療法ごとの予後は大きく変わる。国立がんセンター中央病院薬物療法部医員を務めたことのある医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が言う。

「がん治療は『手術が可能なら全て手術』という考え方がかつては一般的でしたが、今はそうではない。がんの部位や患者さんそれぞれの状況によって選択は変わります。とにかく何でも手術、というのは間違いと言えます」

 医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。

「海外ではがん治療で『いきなり手術』はご法度と考えられています。米国がん合同委員会はがんのタイプやステージに合わせた術前の補助化学療法や放射線治療を検討するよう勧めています。抗がん剤や放射線により手術の効果を高め、生存率を上げられる可能性があるからです」

 最初にどの治療を選ぶべきか――。その選択の際に助けとなるのが、「5年生存率」のデータだ。がんと診断された患者が5年後に生存している割合を示すもので、治療成果の目安となる。本誌は詳細な「5年生存率」の最新データを、全国がんセンター協議会(全がん協。全国32のがん専門病院からなる研究グループ)の約24万症例の集計結果から抽出した。これを精査すると、「切ってもいいがん」「切ってはいけないがん」が見えてくる。

永久に「人工肛門」

 別掲の表は、全がん協の生存率共同調査の結果から、患者の年代別に「がんの部位」「ステージ(1~4)」ごとの5年生存率をまとめたものだ。

 表中では、患者が「初回治療(診断後、当初に計画された治療)に何を選択したか」を4つに分類し生存率を集計している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

巨人新監督の阿部慎之助(時事通信フォト)
【巨人監督が阿部慎之助に】現役時代は慕われるも指導者になり豹変 「全員罰走」など“昭和の野球”回帰で令和の若手はついてくるか
NEWSポストセブン
音無美紀子、村井國夫を語る「嫌な夫と思っても舞台を見ると『やっぱりいい男!』と忘れてしまう」
音無美紀子、村井國夫を語る「嫌な夫と思っても舞台を見ると『やっぱりいい男!』と忘れてしまう」
女性セブン
「侍ジャパン」の新監督をつとめる井端氏と妻の明子夫人
《侍ジャパン新監督・井端弘和氏》妻は元『報ステ』河野明子アナ、22歳年上番組プロデューサーとの破局過去を乗り越えて掴んだ幸せ
NEWSポストセブン
1度目の衝突現場。かなりのスピードで突っ込んだとみられる
所沢・86歳暴走ドライバー「免許返納はしない」発言に、近隣住民は恐怖「運転やめてほしいけど、近所付き合いがなくて」 なぜか軽にベンツのエンブレム
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
5億円減収は「羽生結弦ロス」の影響か「宇野や鍵山でも埋まらない」日本スケート界「エース不在」の苦悩     
NEWSポストセブン
囁くような美声で聴衆を魅了した金子さん(右)
山口百恵さんが涙した“伝説の美声” シャンソン歌手・金子由香利さんとの運命のめぐり合わせ
女性セブン
別居と離婚を認めた降谷建志とMEGUMI
《MEGUMIと立場逆転》不倫騒動で株を下げた降谷隆志 学ぶべきだった父・古谷一行さんの対応
NEWSポストセブン
KEIKOが公開した「アーティスト写真」
【12年ぶり素顔公開】globeのKEIKO、マスク外して完全復活へ 「生配信」にも出演
NEWSポストセブン
佳子さまの髪形やファッションを参考にされていたことも(9月、栃木県那須町。写真/JMPA)
「佳子さまに揺るぎない信頼」の愛子さま 雅子さまは何を思う…“思想”から影響を受ける可能性への憂慮
女性セブン
キャンピングカー歴1年の柴田倫生さん
【キャンピングカー拝見】小回りが利く「軽キャンパー」を220万円で購入 コンパクトボディーでも足を伸ばして寝られる
週刊ポスト
“立ちんぼ”
「手錠が痛かった」歌舞伎町の大久保公園で覆面警察に逮捕されたアイドル似“交縁少女”の告白【前編】
NEWSポストセブン
フレンチフライ(フライドポテト)専門店にいたのは松嶋菜々子と反町隆史(49才)夫妻だった。
【全文公開】松嶋菜々子、復活『GTO』で夫・反町隆史と共演 なぜいま夫婦共演が“解禁”となったのか?
女性セブン