中国でも人気が高い日本の女性声優・上坂すみれ(時事通信フォト)

中国でも人気が高い日本の女性声優・上坂すみれ(時事通信フォト)

「ソシャゲは完全にジャパニーズゲームを蹂躙してますけど、周辺の細かいところは日本頼み、まだまだといったところでしょう」

 中国のソシャゲは欧米ではなく日本の文化に寄せている、というか限りなくジャパニーズ「萌え」だ。中国の『原神』などは2020年9月からの半年で1100億円以上を売り上げた。それも中国で331億円、日本で305億円、アメリカで207億円と満遍なく売っている。そもそも中国ゲームパブリッシャーの全世界売上高は2500億円、世界のモバイルゲームの総売上の4割が中国製である。ほとんどが日本文化のガラパゴスと呼ばれたオタク系、萌え系や美麗系、ラノベ表紙的な絵柄であり、それを模倣して世界を席巻している。

「なんだか外国で中国人がやってる寿司屋とかうどん屋みたいですよね」

 栗田氏のそのたとえ、面白いが悲しいかな事実、世界で「寿司」はジャパニーズフードだが、その大半は中国人が経営する「なんちゃって寿司屋」である。だがその大半は各国で「Sushi」として受け入れられている。まさに中国の『原神』はもちろん『アズールレーン』や『ドールズフロントライン』『放置少女』『崩壊学園』シリーズといった作品と同様、日本のオタクコンテンツを切り貼りして世界に売っている。

「それでも日本のアイドル声優だけは無理ですね。アイドル声優は日本独自の文化です。欧米はもちろん、中国でも声優は俳優がやるものです。専業の声優もいますがもっと地味で、アイドルではありません。日本のようなアイドル声優の自国発掘もつい最近です。それでも日本のスーパーアイドル声優のような存在の出現も、その蓄積もまだまだです」

 中国も若手女性声優を発掘しようとしているが、なかなか日本のアイドル声優のようなスーパースターは生み出せてはいない。そもそも日本人の女性アイドル声優が人気なわけで、じゃあ中国人で、というわけにはいかないのだ。

「そうです。だから日本人の女性声優が欲しい。アイドル声優が欲しいわけです。もちろん中国に連れてくわけではないですよ。中国のネット企業が運営する声優事務所に所属させたいってことです。もちろん事務所は日本に置いて」

 なるほど、日本の人気女性声優を所属させることができれば自社のゲームやイベントに使えるだろう。しかし男性声優はいらないのか。

「いらないわけじゃないですけど、宮野(真守)さんのような別格を除けば日本ほどの人気はないみたいです。とにかく日本の若い女性アイドル声優が中国人のオタク男性にとって特別なんです。中国人女性にはない魅力があります」

 確かに。筆者の知る中国人男性もこぞって日本人女性はやさしい、かわいい、おとなしいとぞっこんだった。彼ら曰く、中国人女性はキツイ、女漢子(男みたいな女という意、この場合は悪口)だと散々だったが、日本人女性は美眉(スラング、日本で言うと「萌え~」だろうか、かわいい女の子の意)らしい。

「あと実力もありますね、中国人はシビアです。日本の女性アイドルは歌も踊りもレベルが低いけど、日本の女性声優は演技も歌も素晴らしいと」

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