芸能

高田文夫「空気階段の優勝」と「おぼん・こぼん仲違いドラマの完結」に涙

おぼん・こぼんと空気階段

おぼん・こぼんと空気階段

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。空気階段、おぼん・こぼんとコンビ芸人の活躍についてつづる。

 * * *
 書かずにはいられない芸人、浅草キッドの水道橋博士の力作『藝人春秋Diary』(スモール出版)がもうすぐ出版という噂をきいてか、この1週間芸人周辺で心を打つ事がつづく(ちなみにこの本、550ページ以上ある大作。推薦のオビは私が書いている。是非一冊お求め下さい)。

 テレビの底力・楽しさ、芸人のたくましさをしみじみ知らされる2本の番組の上等な仕上り。私はテレビでは「ドキュメンタリー」と「笑い」が中心で「ドラマ」(作り話)はあまり見ない。ドキュメントで笑いがあって少しの涙、これを満たしてくれたのが『キングオブコント』の“空気階段”の優勝と『水曜日のダウンタウン』の“おぼん・こぼん THE FINAL”である。

 デブで口ひげで借金まみれのクズ芸人が“空気”の鈴木もぐら。見るからになつかしの“レオナルド熊”を思わせる昭和味、相方の水川かたまりは見るからに神経質そうで慶應大学に入ったが友達ひとりもできないので3か月で中退という経歴はよく分かる。賞金1000万円を500万円ずつ。もぐらは借金返済と「100万だけはもらってすぐにギャンブルに行く」と言っていた。多分そうだろう。全額でも面白ければ博打に使ってもOKだと私は思う。芸への投資である。

 かたまりは母親が「よく固まってるから」とこの芸名になった。賞金の500万円は親にプレゼント。なんせこの日まで月に10万円ずつ10年間ずっと仕送りしてもらっていたとか。ざっと計算しただけで10年間で1200万円のバンスである。500万じゃ全然足りない。それにしても2本とも見事なコントでした。SMクラブの火事騒動。これが下品にならずドラマチックに映画を丸々一本見たように感じさせたのはネタ設定と演技力の勝利。

関連キーワード

関連記事

トピックス

この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
元・明石市長の泉房穂氏
財務官僚が描くシナリオで「政治家が夢を語れなくなっている」前・明石市長の泉房穂氏(62)が国政復帰して感じた“強烈な危機感”
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン