国内

岸田・自民が銀座豪遊議員に対抗馬立てず 伝統芸の「追加公認」か

自民党に戻るのか?(左から大塚、松本、田野瀬。時事通信フォト)

緊急事態宣言下の銀座豪遊で自民党を離党した3議員(左から大塚高司氏、松本純氏、田野瀬太道氏/時事通信フォト)

 10月31日投開票の総選挙に向けて、各党が候補者を固めている。自民党は10月15日に2次公認を公表し、小選挙区では277人の公認候補が決まった。連立を組む公明党の小選挙区の候補者が9人いるため、合わせて286人。小選挙区は全国に289あるので、候補者のいない選挙区は3つということになるが、その顔ぶれを見ていくと、自民党の選挙戦略が、スキャンダル議員の“復党”ありきで進んでいることが透けて見える。

 自民党、公明党のいずれの公認候補もいない小選挙区は東京15区、神奈川1区、奈良3区の3つだ。ベテラン政治ジャーナリストはこう言う。

「3つの選挙区はいずれも、不祥事を起こして自民党を離党した議員のいる選挙区です。

 東京15区は、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る収賄罪などに問われて一審で実刑判決を受け、控訴している秋元司氏が議席を持っていた。後任選びが難航し、自民党は無所属で立候補する柿沢未途氏、今村洋史氏を推薦するという玉虫色の決着とした。柿沢氏か今村氏か、勝ったほうを自民党が『追加公認』するとみられている。

 残りの2つの神奈川1区と奈良3区は、コロナによる緊急事態宣言中に銀座での豪遊が発覚して自民党を離党した松本純氏、田野瀬太道氏の選挙区です。両氏は今回、無所属として出馬しますが、この選挙で当選すれば“禊が済んだ”ということで、自民党に復党させるつもりだと考えられます」

 今年1月、緊急事態宣言が発出されていたにもかかわらず、銀座のクラブを訪れていたことが発覚したのは、松本氏、田野瀬氏、そして大塚高司氏の3人。3人とも自民党を離党したが、大塚氏が大阪8区からの出馬断念を表明した一方、松本氏、田野瀬氏は無所属として出馬することを選択した。

「大阪8区にしても、大塚氏が出馬断念を明らかにするまで、自民党は後継候補の選定を進めていなかった。この3人については、批判を一時的にかわすために離党したものの、選挙後の復党ありきのシナリオが描かれていたとみるのが自然でしょう。

 とりわけ松本氏は麻生太郎・自民党副総裁の側近中の側近として知られています。麻生氏の支援を受けて自民党総裁選に勝利することができた岸田文雄・首相のもとで、対抗馬が立てられるはずもないでしょう」(前出・ベテラン政治ジャーナリスト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン